自動車に搭載される電子機器が急増する中、電圧の安定供給は不可欠です。特に「昇圧」「降圧」といった電圧変換技術は、車両内のあらゆる電子機器にとって命綱となります。しかし、これらの仕組みについて、詳しく知っている方は少ないのが現状です。今回は、車の昇圧・降圧技術の中核を担う「DC-DCコンバータ」について、その動作原理から応用事例まで、徹底的に解説します。この知識を深めることで、あなたの車載電装機器の選定や設計に役立つこと間違いなしです。
DC-DCコンバータとは?車載電装機器に不可欠な存在

車について疑問を持っている人のイメージ
まず、DC-DCコンバータ(直流-直流変換器)とは、直流(DC)電圧を別の直流電圧に変換するための電子回路のことです。自動車では、バッテリーから供給される12Vや24Vの電圧を、必要に応じて高圧または低圧に変換するために使用されます。この変換を行うことで、車両内の様々な電子機器が適切に動作するようになります。
例えば、24Vのバッテリーから5Vの電圧を取り出してマイコンを駆動したり、逆に5Vから12Vへ変換してセンサーを動かしたりする際、DC-DCコンバータが重要な役割を果たします。
昇圧・降圧の仕組みと実際の動作原理
DC-DCコンバータには、主に「昇圧型」「降圧型」「昇降圧型」の3つの種類があります。それぞれの動作原理を簡単に説明しましょう。
降圧型(Buckコンバータ)
降圧型のDC-DCコンバータは、入力電圧よりも低い出力電圧を得るための装置です。動作は以下の2フェーズで行われます。
1. スイッチON: 電流が流れ、インダクタにエネルギーが蓄積されます。
2. スイッチOFF: 蓄えられたエネルギーが放出され、出力電圧を制御します。
出力電圧はデューティ比(スイッチオンとオフの比率)によって決まり、簡単に言えば、スイッチがオンになる時間が長いほど高い電圧を得ることができます。
昇圧型(Boostコンバータ)
昇圧型は、入力電圧よりも高い出力電圧を得るために使用されます。次の2つのフェーズで動作します。
1. スイッチON: インダクタにエネルギーが蓄積されます。
2. スイッチOFF: 蓄積したエネルギーが放出され、入力電圧に加算される形で出力電圧が高くなります。
昇圧型は、例えば3.3Vから12Vに電圧を上げる場合に役立ちます。
昇降圧型(Buck-Boostコンバータ)
昇降圧型は、入力電圧が高い場合でも低い場合でも、一定の出力電圧を保つことができます。この方式は、例えばバッテリーの電圧が変動する環境下で非常に有効です。
1. スイッチON: インダクタにエネルギーが蓄積され、コンデンサが充電されます。
2. スイッチOFF: 蓄えたエネルギーを放出し、必要な電圧を得ます。
この仕組みによって、入力電圧に関係なく安定した出力電圧を確保することができます。
実際の車載応用DC-DCコンバータの重要性
車両内には、エンジン制御、ナビゲーションシステム、エアコン、センサー、LED照明など、非常に多くの電子機器が搭載されています。これらの機器がそれぞれ異なる電圧を必要とするため、安定した電圧供給が不可欠です。DC-DCコンバータは、この役割を担い、次のような場面で活躍しています。
- バッテリー管理システム: 車両のバッテリーから適切な電圧を取り出し、必要な機器に安定的に供給します。
- 自動運転技術: センサーやカメラ、GPSシステムなど、多くの電子機器に適切な電圧を提供します。
- エネルギー効率の向上: DC-DCコンバータは効率的なエネルギー変換を行うため、車両の全体的なエネルギー消費を抑制します。
車 昇圧 降圧 仕組みに関する疑問解決
DC-DCコンバータの効率が悪くなる原因は?
DC-DCコンバータの効率は、スイッチング周波数、回路設計、使用される部品の品質などに影響されます。効率を向上させるためには、適切な設計と部品選定が重要です。また、スイッチング損失や熱対策も効率に大きな影響を与えます。
車載DC-DCコンバータの選定基準は?
車載DC-DCコンバータを選定する際には、以下の点を考慮することが重要です。
- 入力・出力電圧範囲: 車両のバッテリー電圧に対応できる範囲を選定します。
- 効率: 高効率なモデルを選ぶことで、エネルギー消費を抑えることができます。
- サイズ・耐久性: 車両内での設置場所や環境に適したサイズ・耐久性を持ったモデルを選びます。
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まとめ
車両内で使用される電子機器の増加に伴い、昇圧・降圧技術は非常に重要な役割を担っています。DC-DCコンバータはその中心にあり、車載電子機器の効率的かつ安定的な動作を支える必須の技術です。昇圧型、降圧型、昇降圧型それぞれの動作原理を理解することで、より最適な車載電源設計が可能になります。車載DC-DCコンバータの選定や設計を行う際は、効率、耐久性、入力・出力電圧範囲など、さまざまな要素を考慮して最適な製品を選びましょう。


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