「日本一高い国道を走ってみたい」「雲海や満天の星空を自分の目で見てみたい」——そんな夢を持ったことはありませんか?群馬県と長野県をまたぐ渋峠は、まさにドライバーにとっての聖地。標高2172mという空気の薄い天空の道を走り抜けるとき、そこにはどこにも売っていない感動が待っています。ただし、知らずに行くと「開通してなかった!」「何も準備してなかった!」という残念な結果になることも。この記事では、渋峠ドライブの絶景スポットをすべて網羅しながら、2026年最新の通行情報や初心者が知っておくべきリアルな注意点まで、圧倒的なボリュームでお届けします。
- 渋峠は国道の中で日本一標高が高い峠(標高2172m)で、雲海・星空・雪の回廊など季節ごとに別の絶景が楽しめる。
- 2026年4月22日10時に冬季閉鎖が解除予定で、ゴールデンウィーク前後が雪の回廊ドライブの狙い目シーズン。
- 渋峠ホテル・国道最高地点・横手山ドライブインなど、ルート上に立ち寄りたいスポットが複数あり、半日から1日かけてじっくり楽しむのがおすすめ。
渋峠ってどんな場所?まず基本を押さえよう

車の前で困っている人のイメージ
渋峠は、国道292号線(志賀草津道路)上に位置する峠で、群馬県吾妻郡中之条町と長野県下高井郡山ノ内町の県境にまたがっています。横手山と草津白根山の間を通り抜けるこのルートは、「天空の峠」という別名がぴったりな、息をのむ絶景が連続する山岳道路です。
特筆すべきは、その標高の高さ。標高2172mの国道最高地点は、日本中の国道の中で唯一この場所にしか存在しません。つまり、自家用車で行ける「日本一高い道路」がここなのです。富士山の五合目(約2300m)とほぼ同じ高さまで、国道をドライブできてしまうわけですから、その非日常感は格別です。
渋峠という名前の由来は「渋温泉」にあると言われており、江戸時代には草津から芳ヶ平、渋峠を越えて善光寺へと向かう旅人が歩いた街道でもありました。現代のドライバーが気持ちよくアクセルを踏む道は、かつての参道・街道の面影を残しているという歴史的背景も、この道の深みを増しています。
渋峠ホテルは「二つの県に同時に居られる」唯一の場所
渋峠で最も有名なランドマークのひとつが、県境に建つ渋峠ホテルです。なんとこのホテル、建物の真ん中に群馬県と長野県の県境が通っています。「ぐんま < > ながの」と書かれた境界線が、ホテルの内部にも外の駐車場にも引かれており、宿泊せずとも写真を撮りに立ち寄るだけでも楽しめます。
館内では群馬県側が喫茶スペース、長野県側が食堂という区分けになっています。片足ずつ別の県に置いて写真を撮るという体験は、ここ以外ではできません。また、渋峠ホテルは元々昭和26年に遭難者向けの避難小屋として建てられた施設です。サンフランシスコ講和条約により戦後の混乱が落ち着き、山登りやスキーを楽しむ人が増えた時代背景の中で生まれたという歴史を持っています。
日本国道最高地点の石碑は「外せない記念撮影スポット」
渋峠ホテルから群馬県側に数百メートル進むと、「日本国道最高地点・標高2172m」の石碑が立っています。10台前後が駐車できるスペースがあり、ここからは眼下に広がる芳ヶ平湿原(よしがだいらしつげん)の絶景が堪能できます。
芳ヶ平湿原は、標高が高く四方を山に囲まれた地形のため、気温の寒暖差が大きく雲海が発生しやすい条件が揃っています。特に秋の早朝に雲海が芳ヶ平湿原を覆い、そこから朝日が昇ってくる光景は、多くのカメラマンがこの場所に通い続ける理由そのものです。
ちなみに、日産の名車スカイラインの命名エピソードがここにあることをご存知ですか?スカイラインの生みの親と言われる桜井真一郎氏が、芳ヶ平湿原からこの場所を見上げたときの山並みと青空の境界線(スカイライン)に着想を得て、車名が生まれたとされています。芳ヶ平ヒュッテにはその記念プレートが設置されているほどです。
絶景ポイントを全部まわろう!渋峠ドライブルートの見どころ7選
志賀草津高原ルートは草津温泉側からスタートすると走り出してすぐに標高1500mを超え、見どころが次々と現れます。見落としなくチェックしておきましょう。
弓池(草津温泉から約30分)
草津温泉から志賀草津道路を北上して最初に出会う絶景スポットが弓池です。白根山の麓に広がる火口湖のひとつで、周囲にはワタスゲやモウセンゴケなどの湿生植物が自生し、幻想的な雰囲気を漂わせています。木道が整備されており、散策しながら自然を感じることができます。春の新緑、夏のワタスゲ、秋の紅葉と、季節によってまったく違う顔を見せてくれる場所です。
草津白根山・殺生河原(迫力ある荒涼風景)
弓池のすぐ近くには、上信越高原国立公園の名峰草津白根山がそびえています。山頂付近の「殺生河原」は、硫化水素ガスが噴出し草木が生えない荒涼とした景色が広がる場所で、白い岩肌が月面のようにも見えます。ドライブ中に窓を開けると硫黄の匂いが鼻をつき、大地の息吹をダイレクトに感じることができます。
ただし注意が必要なのは、草津白根山の火山活動状況によっては通行規制がかかることです。特に殺生河原駐車場から万座三差路の区間は、警戒レベルが上がると夜間通行禁止や通行止めになる場合があります。お出かけ前には気象庁の噴火警戒レベルを必ず確認してください。
国道最高地点・芳ヶ平ビューポイント(ドライブのクライマックス)
前述の通り、標高2172mの国道最高地点はこのルートの主役とも言えるスポットです。石碑の前での記念撮影はもちろん、芳ヶ平湿原を見渡せるこの場所は、晴れた日なら雲ひとつない青空が信じられないほど近く感じられます。高度が上がるほど空は深い青色に変わり、まるで地球の外側に出てしまったような感覚を覚えます。
渋峠ホテル(県境をまたぐ唯一のホテル)
さきほど紹介した渋峠ホテルでは、宿泊のほかにお食事やカフェも楽しめます。昭和レトロな雰囲気の館内でゆっくり過ごすのもおすすめです。また、食堂のカウンターで「日本国道最高地点到達証明書」が1枚100円(税込)で購入できます。5種類のデザインから選べる証明書は、ドライブの記念として持って帰る人が多い人気アイテムです。
渋峠ロマンスリフト・横手山山頂(2307mの絶景テラス)
渋峠ホテルの道向かいには駐車場があり、そこから渋峠ロマンスリフトに乗れば、標高2307mの横手山山頂へと上がることができます。山頂からは北アルプス、富士山、さらには佐渡島までが見渡せることもある360度の大パノラマが広がります。
山頂には横手山神社や横手山頂ヒュッテ(日本一標高が高いパン屋さんとして有名)、2307満天ビューテラスなどのグルメ・展望スポットが揃っています。横手山頂ヒュッテのパンは営業中に売り切れてしまうほどの人気ぶりで、早めに立ち寄るのが賢明です。
横手山ドライブイン(サンセットと雲海の名所)
渋峠からいくつかのスノーシェード(雪除けトンネル)を抜けると到着するのが横手山ドライブインです。サンセットポイントとして名高いこの場所は、夕暮れ時に訪れると笠ヶ岳を望みながら美しい夕焼けを楽しめます。2階レストランでは信州そばやくま笹ソフトなど、信州らしいメニューが揃っています。
さらに、横手ドライブイン周辺も雲海スポットとして非常に評価が高い場所です。芳ヶ平湿原側で雲海が見られなかった場合でも、こちら側では濃い雲海が広がることがあります。山脈の頂上部だけが雲海の上に飛び出して見える光景は、まるで白い海に浮かぶ島のようで、言葉を失うほどの美しさです。
夜の渋峠・満天の星空(天体観測スポットとしても超一流)
渋峠の魅力は昼だけではありません。標高が高く空気が澄み切っており、周囲に光害がほとんどない渋峠周辺は、日本屈指の星空スポットでもあります。晴れた夜に訪れると、天の川がくっきり見えるほどの満天の星空が広がります。気温は10月中旬でもマイナス4℃まで下がることがあるため、防寒対策は必須ですが、その寒さを忘れさせてくれるほどの星景に出会えます。
シーズン別の楽しみ方と2026年の最新通行情報
渋峠ドライブは、季節によって全く異なる顔を見せてくれます。いつ訪れるかによって、体験できる景色がガラリと変わるのもこの道の魅力です。
【重要・2026年最新情報】現在は冬季閉鎖中!開通は4月22日予定
志賀草津高原ルートは、2025年11月12日13時から冬季閉鎖に入っており、2026年4月22日10時の解除が予定されています。群馬県草津町天狗山ゲートから長野県陽坂ゲートまでの区間が通行止めとなっているため、2026年3月現在は渋峠を通行することはできません。お出かけを計画中の方は、4月22日以降のプランを立ててください。なお、開通日時は積雪や道路状況によって変更になる場合があるため、出発前に草津温泉観光協会や志賀高原の公式サイトで最新情報を必ず確認することをおすすめします。
春(4月下旬〜5月)雪の回廊ドライブが狙い目
冬季閉鎖が解除される4月下旬から5月にかけては、雪の回廊が見られる特別なシーズンです。道路の両脇に数メートルもの雪壁がそびえ立ち、まるで雪のトンネルを走り抜けるような絶景が楽しめます。毎年テレビでも紹介される風物詩で、開通直後の数週間しか見られない期間限定の光景です。ただし、開通直後はサマータイヤでの走行に不安がある路面状況のこともあるため、週間天気予報をチェックしてから出かけましょう。
夏(6月〜8月)避暑ドライブに最適な天空の涼
平地が猛暑日になるような夏でも、渋峠周辺の気温は25℃を超えることがほとんどありません。木が生えない高山植物帯を高原の爽やかな風とともに走るドライブは、それだけで最高の避暑になります。夏の青空と深緑のコントラストも美しく、ドライブ写真を撮るのにも絶好のシーズンです。
秋(9月下旬〜11月上旬)紅葉と雲海のコラボが最高潮
多くのドライバーやカメラマンが「最も美しい」と口を揃えるのが秋の渋峠です。10月に入ると木々が一気に色付き始め、横手山や周囲の山々が黄色・オレンジ・赤に染まります。さらに秋は雲海の発生率も高く、早朝に訪れれば紅葉した山の斜面と雲海が重なる、絵画のような光景が見られることがあります。
雲海が発生しやすい条件を知っておくと、訪問計画の精度が上がります。早朝の春・秋であること、前日の日中が温かく地面が湿っていること、観測日の気温がよく冷え込んで晴れていること、風があまり吹いていないこと——この4つの条件が揃った翌朝を狙うのがベストです。天気予報でこのようなパターンを確認したら、迷わず早起きして渋峠へ向かいましょう。
渋峠へのアクセス方法と事前準備チェックリスト
渋峠ドライブは事前準備がしっかりできているかどうかで、楽しさが大きく変わります。初めて訪れる方は特に、以下の情報を頭に入れてから出かけてください。
車でのアクセス方法
群馬県側からのアクセスは、関越自動車道・渋川伊香保ICを降りて約75km、約1時間45分が目安です。カーナビには「渋峠」と入力すれば迷わずに行けます。草津温泉を経由するルートが一般的で、草津温泉で軽く観光・温泉を楽しんでから峠に向かうのもおすすめです。
長野県側からのアクセスは、上信越道・信州中野ICから国道292号線を経由して約60分です。湯田中温泉や渋温泉を経由して志賀高原経由で訪れると、峠を挟んだ両側の観光を楽しめます。
公共交通機関を使う場合は、長野電鉄長野線の湯田中駅からバスで約62分で渋峠に到着できます。
出発前に必ず確認すべき3つのこと
渋峠ドライブを安全・快適に楽しむために、出発前に確認しておきたい大切なポイントがあります。まず、道路の通行規制情報です。冬季閉鎖の時期は当然ですが、草津白根山の噴火警戒レベルが上がると夏でも一部区間が閉鎖になることがあります。出発当日の朝に草津温泉観光協会の道路交通情報ページを確認する習慣をつけましょう。
次に、気温と服装の準備です。真夏でも渋峠は15〜20℃前後になることが多く、早朝や夕方はさらに下がります。秋以降は10℃を下回ることも珍しくありません。フリースやウインドブレーカーなど、体温調節できる服装を必ず携帯してください。
最後に、燃料とトイレの確認です。渋峠周辺にガソリンスタンドはありません。草津温泉を出る前に必ず満タンにしておきましょう。トイレについても、白根レストハウスが閉鎖されている場合、草津温泉スキー場のレストハウスを過ぎると渋峠ホテルまでの約13kmにトイレがない状態になります。出発前にしっかり済ませておくことが大切です。
渋峠ドライブをもっと深く楽しむ!知る人ぞ知る注目スポット

車の前で困っている人のイメージ
渋峠を走るだけで満足している人は、正直まだ半分しか楽しめていません。峠の周辺には、観光ガイドには載っていないような「通好み」のスポットが点在しています。せっかくここまで来たなら、渋峠を起点にした「エリア全体の旅」を組み立てることで、忘れられない旅の記憶が出来上がります。
芳ヶ平湿原トレッキング(峠から歩いて行ける大湿原)
国道最高地点の石碑から眼下に広がる芳ヶ平湿原は、ドライブ中に「眺める」だけの場所だと思っている人が大半ですが、実は歩いて降りることができます。渋峠から芳ヶ平湿原へ向かう登山道は、片道およそ1時間ほどのコースで、難易度も比較的やさしいため、ハイキング初心者でも十分に楽しめます。
湿原に降り立つと、上から見ているだけでは気づかなかった植生の豊かさに驚かされます。夏には高山植物が色とりどりに咲き乱れ、秋には黄金色の草紅葉が湿原一面を覆います。さらに「芳ヶ平ヒュッテ」という山小屋もあるため、休憩しながらゆっくり歩くことができます。渋峠の絶景を「上から見る」だけでなく「下から見上げる」体験は、峠ドライブに全く別の次元の感動を加えてくれます。
平床大噴泉(ほたる温泉)(国道沿いの知られざる大迫力スポット)
横手山ドライブインを過ぎて志賀高原方面へさらに進んでいくと、道路左手に平床大噴泉(ほたる温泉)があります。駐車場から徒歩20分ほど歩くと、川沿いの岩の間から源泉が勢いよく吹き上がる間欠泉状の噴泉を間近で見ることができます。轟音とともに湯気が空高く立ち上る光景は、大自然の力をリアルに感じさせてくれる迫力があります。立ち寄る人が少なめな穴場スポットでもあり、混雑を避けながら大自然を堪能したい人にとって最高の場所です。
蓮池(はすいけ)・志賀高原山の駅(絶景ドライブのクールダウンスポット)
横手山エリアからさらに長野県側に下ると、蓮池という静かな湖沼に到着します。志賀高原の山々を映す水面と周囲の自然が美しく、15分ほどで一周できるコンパクトな散策コースがあります。すぐそばには志賀高原山の駅があり、ここにはカフェや売店も揃っています。渋峠ドライブで盛り上がった気持ちをゆっくりクールダウンするのにちょうどいい場所で、疲れた体を休めながら穏やかな高原の景色を楽しめます。
渋峠から足を延ばしたい!近場の絶対はずせない観光スポット
渋峠を訪れたなら、ぜひ周辺の観光スポットもセットで組み込んでほしいところです。どれも渋峠から1時間圏内でアクセスでき、それぞれがまったく違う体験を提供してくれます。
地獄谷野猿公苑(スノーモンキーパーク)
渋峠ドライブの長野県側出口にある渋温泉から約2.5km上流、標高850mの山中に地獄谷野猿公苑があります。1964年に開苑したこの場所は、世界で唯一、野生のニホンザルが専用の温泉に入る光景を観察できる施設として国際的に有名です。1970年にはアメリカの雑誌『LIFE』の表紙を飾り、1998年長野冬季オリンピックの際にも世界中から注目を集めました。英語圏では「スノーモンキーパーク」の愛称で親しまれ、年間を通じて外国人観光客が多いのも特徴です。
ここが素晴らしいのは、柵も檻もなく、野生のニホンザルと同じ空間に入れる点です。サルたちは人間を恐れることなく自由に行動しており、その距離感のユニークさは動物園では絶対に体験できません。冬は雪の中で温泉に浸かるサルの姿、春は母猿に抱きかかえられたベビーモンキーの姿と、季節ごとに異なる表情が見られます。
公苑へのアクセスは上林温泉の駐車場から徒歩約30分の山道を歩く必要があります。舗装されていない箇所もあるため、歩きやすい靴で訪れることが必須です。入苑料は大人800円です。
渋温泉の九湯めぐり(歴史ある温泉街で心をリセット)
渋峠から長野県側に下ると、渋温泉の温泉街に到着します。開湯の歴史は古く、全国行脚中の僧・行基が発見したとされ、戦国時代には武田信玄の隠し湯としても知られていた由緒ある温泉地です。
渋温泉最大の魅力は、石畳の路地に点在する9つの外湯(共同浴場)を巡る「九湯めぐり」です。1番湯から9番湯まで、それぞれ泉質や効能が少しずつ異なり、宿泊客は鍵を借りてすべての外湯を無料で利用できます。「外湯をすべて制覇した」という達成感も旅の記念になります。温泉街の風情ある石畳を浴衣姿で歩きながら、ハシゴ湯を楽しむ体験は、渋峠ドライブの後にぴったりの癒しです。
また、渋温泉には金具屋という旅館があり、木造四階建の斉月楼と大広間が国の登録有形文化財に認定されています。建物の歴史的な美しさに圧倒されるため、宿泊しなくても外観だけでも眺める価値があります。
草津温泉の湯畑(渋峠の出発点を堂々と楽しむ)
群馬県側の起点となる草津温泉は、日本を代表する名湯のひとつです。温泉街の中心に位置する湯畑は、毎分4000リットルもの湯が自然湧出する大源泉で、周囲を囲む木製の湯枠から湯煙がもうもうと立ち上る景色はSNSで無数にシェアされている絶景スポットです。
渋峠ドライブを群馬県側からスタートする場合、草津温泉で日帰り入浴を楽しんでから峠に向かうのが最もおすすめの動き方です。峠を走り終えて帰路につく際にも、もう一度草津温泉に立ち寄ってドライブの疲れを流してしまえば、最高の一日になります。草津温泉の日帰り入浴施設は複数あるため、混雑状況を見ながら選べるのも嬉しいところです。
渋峠ドライブと一緒に食べたい!ご当地グルメ徹底ガイド
渋峠の旅を語るうえで、食のことを外すわけにはいきません。標高2000m超の天空路を走り終えた後に食べるご飯は、どんな食事でも格別においしく感じるものですが、せっかくならこのエリアでしか食べられない本物のご当地グルメを味わいましょう。
横手山頂ヒュッテの焼き立てパンとキノコクリームシチュー
「日本一標高が高いパン屋さん」として全国的に有名な横手山頂ヒュッテのパンは、訪れた人たちが口を揃えて「ここでしか食べられない味」と評する一品です。標高2307mの山頂で毎日手作りされる焼き立てのパンは、石窯で焼かれた香ばしい風味と山の澄んだ空気が合わさって、格別のおいしさです。
特に人気なのがキノコクリームシチューとの組み合わせで、北アルプスを望む山頂のデッキで食べるシチューとパンのセットは、多くのリピーターを生んでいます。ただし、人気が高すぎてパンは午前中に売り切れることがほとんどです。午前10時のリフト開始と同時に向かう気持ちで計画を立てるか、前日までに電話で確認しておくのが賢明です。
信州そば(志賀高原エリアで食べるそばは別格)
長野県はそばの産地として全国屈指の実力を誇りますが、志賀高原や湯田中エリアで食べる信州そばは、寒暖差が大きい山岳地帯ならではの風味の濃さと香りが際立っています。横手山ドライブインの2階レストランでも信州そばが楽しめますが、長野県側に下って湯田中・渋温泉郷の蕎麦屋で食べると、さらに本格的な一杯が堪能できます。地粉を使った細打ちのそばに、シンプルなつゆをかけて食べる「ざるそば」は、そばの素朴な甘みをストレートに感じられます。
信州サーモン・信州牛・野沢菜(信州三大食材を渋温泉で)
渋温泉周辺の宿や食事処では、長野県が誇るブランド食材を使ったメニューが充実しています。信州サーモンはニジマスとブラウントラウトを交配させた長野県のオリジナル品種で、淡水魚ながら脂がのった上品な味わいが特徴です。刺身や塩焼きで提供されることが多く、海の魚に引けを取らない旨みに驚く人が続出しています。
信州牛は、信州の澄んだ空気と清らかな水の中で育てられた和牛で、肉質の柔らかさとバランスの良い霜降りが評価されています。渋温泉の旅館での夕食に「信州牛のステーキ」や「すき焼き」が提供されることも多く、温泉と地元グルメをセットで楽しむ体験として非常に評価が高いです。
そして忘れてならないのが野沢菜です。長野県の郷土食として知られる野沢菜の漬物は、地元産のものを使った本場の味はひと味違います。道の駅などで売られている地元産野沢菜漬けはお土産としても人気があります。
志賀高原ビール(標高の高い場所で飲むクラフトビールは最高)
渋峠の近く、山ノ内町にある玉村本店は「志賀高原ビール」を製造するクラフトブルワリーとして知られています。寒冷な気候と志賀高原の良質な水を活かして造られるクラフトビールは、種類が豊富でそれぞれ個性があります。横手山頂ヒュッテでも志賀高原ビールを楽しめます。標高2307mの山頂で、眼下に雲海を見下ろしながら飲むクラフトビールの一口目は、生涯忘れられない体験になるはずです。ドライバーの方はお土産として購入し、帰宅後に余韻とともに楽しんでください。
もう迷わない!渋峠を最大限に楽しむ旅のプラン提案
「渋峠に行ってみたいけど、どう計画を立てたらいいかわからない」という方のために、目的別・スタイル別に旅のプランを提案します。
日帰りで渋峠を満喫する「ベスト日帰りプラン」
このプランは東京・関東方面からのドライバーに特におすすめです。朝6時に出発すれば、渋川伊香保ICを経由して草津温泉に9時ごろ到着できます。草津の湯畑周辺を30分ほど散策してから出発し、志賀草津道路に入ります。弓池・白根山方面を眺めながら走り、国道最高地点で記念撮影。渋峠ホテルで到達証明書を購入し、渋峠ロマンスリフトで横手山山頂へ。焼き立てパンで昼食を済ませた後は横手山ドライブインで休憩し、長野県側の湯田中・渋温泉に下りて日帰り入浴で汗を流してから帰路につく、というルートが理想的です。総距離は草津温泉から湯田中まで約43kmと長くはないので、ゆっくり走っても十分余裕があります。
1泊2日で「天空と温泉とスノーモンキー」を全部楽しむプラン
渋峠を最大限に楽しむなら、やはり1泊2日がベストです。初日は群馬県側の草津温泉に宿泊し、夕方から草津温泉を観光。翌朝早起きして渋峠へ向かい、早朝の雲海や朝日を狙います。峠の絶景を堪能した後は長野県側に下り、渋温泉の九湯めぐりを楽しみながら宿泊。2日目の午前中に地獄谷野猿公苑を訪問し、昼食は湯田中エリアで信州そばや信州サーモンを堪能、という流れが「渋峠旅の完全版」です。
秋の絶景を狙う「紅葉×雲海チャレンジプラン」
10月上旬〜中旬に訪れる場合は、雲海と紅葉のダブル狙いが可能なシーズンです。雲海が発生しやすい条件(前日に雨が降って気温が下がる予報の翌朝)を天気予報でチェックし、日の出に合わせて国道最高地点や横手山ドライブインに到着するよう逆算してスケジュールを組みます。このプランは「天気次第」という不確定要素があるため、前泊して現地に泊まっておくのが成功確率を最も高める方法です。紅葉した山々の上に雲海が広がり、そこから朝日が昇る瞬間を見た人は、その感動を「言葉では表現できない」と口々に語ります。
渋峠ドライブで絶対に守りたいマナーと注意事項
渋峠は自然環境が繊細な国立公園内の道路です。多くのドライバー・バイク乗りが訪れる人気スポットだからこそ、マナーの問題も無視できません。楽しい旅を全員が楽しめるよう、必ず意識しておきたい点があります。
峠道の大部分は駐停車禁止区間になっており、車を路肩に停めて写真を撮る行為は道路交通法違反になります。駐車は必ず指定の駐車スペースや駐車場を使いましょう。また、後続車が来た場合は適宜退避スペースで道を譲ることが山道のマナーです。初心者が絶壁のカーブで後ろからプレッシャーをかけられると危険になるため、後続車が詰まっているようなら積極的に譲る姿勢が大切です。
自然環境の保護という観点からも、湿原や植生の上を歩いたり、植物を採取したりすることは厳禁です。芳ヶ平湿原などの高山湿原は、踏み荒らされると回復に数十年かかります。見る・撮る・感動する、という姿勢で自然と向き合ってください。
私の個人的な感想!
正直に言います。渋峠は「とりあえず行って走り抜ける」だけでは、せいぜい60点の旅です。この記事で紹介してきた情報を組み合わせて考えると、渋峠を100点で楽しめる人と60点で終わる人の差は、ズバリ「早起きできるかどうか」と「1泊する覚悟があるかどうか」のたった2点に尽きると個人的には思っています。
昼間に観光気分でサクッと走り抜けるだけなら、確かに絶景ではあります。でもそれだと、芳ヶ平に雲海が広がる夜明けの光景も、満天の星が降るような夜の峠も、横手山頂ヒュッテのパンを山頂の澄んだ空気の中で食べる体験も、渋温泉の外湯でドライブの疲れをじっくり流す幸福感も、地獄谷野猿公苑で野生のサルとお互い目を合わせる不思議な時間も、全部丸ごと置き去りにして帰ることになります。それはもったいない、あまりにもったいない。
ぶっちゃけ、渋峠の一番の正解は「前泊か後泊を必ず入れること」です。草津温泉か渋温泉に1泊して、翌朝4〜5時に起きて雲海・朝日を狙いに行く。これをやった人と昼間に通過しただけの人では、記憶に残る感動量がまったく別物になります。渋峠は「移動の通過点」ではなく、「目的地であり滞在すべき場所」なんです。
加えて、旅の計画を立てる前には必ず道路情報と火山情報を確認すること。これを怠って現地に着いたら通行止め、というケースは毎年一定数起きています。準備をしっかりした人だけが感動を持って帰れる——それが渋峠という場所の正直な姿です。天空の峠は、ちゃんと迎えにいった人にだけ、その本当の顔を見せてくれます。
渋峠ドライブの絶景スポットに関する疑問を解決!
初心者ドライバーでも渋峠は運転できますか?
渋峠を含む志賀草津高原ルートは、道幅はある程度確保されており国道として整備されていますが、急カーブや急勾配が続くため、山道の運転経験が少ない方には緊張感のあるルートです。横は絶壁に近い地形が続く区間もあり、普段街しか走らない方にはかなりスリリングに感じるでしょう。ただし、焦らずゆっくりと走れば決して走れない道ではありません。急ぐ必要はないので、後続車が来た場合は適宜退避スペースで道を譲りながら、景色を楽しむペースで走るのがおすすめです。
渋峠の絶景を見るのに一番いい時間帯はいつですか?
雲海を狙うなら、圧倒的に早朝(日の出前後)がベストです。日が昇り気温が上がると雲海は消えてしまうため、夜明けの時間帯に合わせて現地に到着できるよう計画しましょう。星空を楽しみたいなら、月が出ていない新月前後の夜が最も美しく見えます。昼間の絶景ドライブなら、午前中の早い時間帯は光が柔らかく山の陰影が美しく、写真映えもします。混雑を避けたい場合も、早朝出発がおすすめです。
渋峠の近くで温泉に入れる場所はありますか?
渋峠へのアクセスルート沿いには、日本を代表する温泉地が点在しています。群馬県側の草津温泉は言わずと知れた名湯で、湯畑を中心とした温泉街の雰囲気も素晴らしく、ドライブの前後に立ち寄るのに最適です。長野県側には渋温泉・湯田中温泉があり、こちらも泉質が良いことで知られています。渋温泉は9つの外湯めぐりが楽しめることでも有名です。渋峠ドライブと温泉をセットにした1泊2日プランは、この道を最大限に楽しめる黄金コースと言えます。
渋峠のドライブコースにかかる時間の目安は?
草津温泉から出発し、各スポットに短時間立ち寄りながら横手山ドライブインまで走るだけであれば2〜3時間ほどで完走できます。ただし、横手山山頂へのロマンスリフトに乗ったり、食事を楽しんだり、雲海や星空の時間を待ったりする場合は、半日から1日がかりのプランになります。旅の余韻を大切にするなら、周辺の温泉地に1泊して翌朝の早朝ドライブを楽しむスタイルが一番おすすめです。
まとめ渋峠ドライブは「準備した人だけが得られる感動」がある
渋峠は、日本国道の最高地点という唯一無二の称号を持つドライブルートです。雲海、星空、雪の回廊、紅葉、そして異次元のような高山景色——これだけの絶景が一本の道の上に詰まっているコースは、日本中を探してもほかにありません。
ただし、この記事で繰り返しお伝えしたように、事前の情報収集と適切な準備がなければ、感動はおろか残念な経験で終わってしまうリスクもあります。現在(2026年3月15日時点)は冬季閉鎖中のため通行はできませんが、2026年4月22日10時の冬季閉鎖解除に合わせてドライブを計画すれば、日本一美しい雪の回廊を体験できる絶好のチャンスが待っています。
開通前に道路情報を確認し、防寒対策を万全に整え、余裕を持ったスケジュールを組む。それだけで、渋峠は必ずあなたの記憶に刻まれる一本の道になるはずです。ぜひ、天空の峠を走り抜ける感動を、自分の目で確かめに行ってください。


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