「三重県って伊勢神宮と松阪牛のイメージしかないんだけど、温泉ってあるの?」そう思っているあなた、実はとんでもなくもったいないことをしています。三重県には70か所以上もの温泉地が点在していて、枕草子に登場する日本三名泉のひとつ「榊原温泉」から、開湯1300年を超える「湯の山温泉」、太平洋の絶景を望む「志摩温泉郷」まで、驚くほどバラエティ豊かな湯が待っているんです。しかも名古屋から車で30分〜2時間、大阪からでも2時間前後というアクセスの良さ。伊勢参りや熊野古道散策のついでにサクッと立ち寄れる日帰り温泉が県内にたくさんあるから、宿泊なしでも十分に温泉三昧できます。
2026年1月にAll Aboutニュース編集部が全国250人を対象に実施した調査では、冬に行きたい三重県の温泉地ランキングで志摩の温泉が1位、湯の山温泉が2位に選ばれました。旬の伊勢海老やあのりふぐと一緒に楽しめることが大きな魅力として挙がっており、温泉とグルメのセットで満足度が跳ね上がるのが三重県ならではの強みです。この記事では、そんな三重県の日帰り温泉を「車旅」「ドライブ」の視点もふまえながら、エリア別に徹底的に掘り下げていきます。
- 三重県には7つの温泉エリアがあり、山の湯から海の湯まで70か所以上の温泉地が点在する全国屈指の隠れた温泉県であること
- 源泉かけ流しの名湯からおしゃれな複合リゾートまで、日帰りで楽しめるおすすめ施設の泉質や料金、ドライブルートの具体的な情報
- 車中泊やRVパークを活用した温泉ドライブ旅のモデルコースと、知らないと損する穴場スポットの紹介
三重県が「隠れた温泉王国」と呼ばれる理由とは?

駐車場で困っている人のイメージ
三重県は南北に細長い県で、北部は鈴鹿山脈の山岳地帯、中部は伊勢平野、南部はリアス式海岸が続く紀伊半島の東端に位置しています。この複雑な地形のおかげで、県土の35%以上が自然公園区域に指定されるほど自然に恵まれていて、地中深くから湧き出る温泉の泉質もエリアごとにまったく異なるのが特徴です。
たとえば北部の湯の山温泉はラジウム含有のアルカリ性温泉で「美人の湯」として知られ、中部の榊原温泉は清少納言が枕草子で「ななくりの湯」として絶賛した歴史ある名泉。南部の志摩エリアに行けばナトリウム塩化物泉で海の景色を眺めながらの湯浴みが楽しめます。ひとつの県でこれだけの泉質バリエーションを日帰りで制覇できるのは、全国を見渡してもかなり珍しいことなんです。
さらに三重県は温泉だけでなくグルメの宝庫でもあります。松阪牛、伊勢海老、あわび、牡蠣、あのりふぐなど、温泉に浸かった後に地元の絶品料理で締めくくれるのは旅の満足度を格段に高めてくれるポイント。日帰り温泉施設でも併設レストランで地元食材を味わえるところが多いので、ランチ付きの日帰りプランを賢く活用するのがおすすめです。
エリア別で見る三重県のおすすめ日帰り温泉
三重県の温泉は大きく分けて7つのエリアに分類できます。それぞれの特徴をしっかり押さえておけば、自分の好みや旅の目的にぴったりの温泉が見つかるはずです。ここからはエリアごとに代表的な日帰り温泉を紹介していきます。
湯の山エリア(菰野町)で絶景の源泉かけ流しを体感する
名古屋方面からのドライブなら、まず候補に挙がるのが湯の山温泉エリアです。東名阪自動車道の四日市ICから約20分で到着でき、御在所岳の麓に広がる温泉街には日帰り入浴ができる旅館やホテルが点在しています。開湯1300年以上の歴史を持ち、冬場はロープウエイで山頂に登ると幻想的な樹氷が見られることでも有名です。
このエリアで特に注目したいのがアクアイグニス片岡温泉。加水・加温・循環を一切しない100%源泉かけ流しが自慢で、なんとシャワーまで源泉というこだわりぶり。竹林を眺められる露天風呂はため息が出るほど美しく、平日大人600円、土日祝800円という良心的な価格も魅力です。施設内には辻口博啓さんのスイーツショップや石窯パン工房、奥田政行さんのイタリアンレストランまで入っているので、湯上がりのグルメも充実しています。営業時間は朝6時から深夜24時まで。年中無休なので思い立ったときにすぐ行けるのも嬉しいですね。
湯の山エリアの老舗旅館で日帰り入浴を楽しむのもおすすめです。創業110年を超える「旅館寿亭」は11時30分〜15時の間に日帰り利用ができ、大人1,000円で露天風呂と貸切風呂を楽しめます。カップルやファミリーに人気の貸切風呂は3タイプあり、それぞれ趣の異なる空間でゆっくりできるのが贅沢です。
榊原エリア(津市)で「日本三名泉」のとろみ湯に浸かる
三重県で「泉質にとことんこだわりたい」という温泉通なら、まっすぐ向かうべきは榊原温泉です。清少納言が枕草子で「湯はななくりの湯、有馬の湯、玉造の湯」と記した、あの「ななくりの湯」がまさにここ。伊勢自動車道の久居ICから車で約25分、のどかな里山の風景が広がる中に数軒の温泉旅館が佇んでいます。
泉質はアルカリ性単純温泉で、お湯に触れた瞬間わかるトロッとした肌ざわりが最大の特徴。入浴後は肌がしっとりすべすべになることから「美肌の湯」としてリピーターが後を絶ちません。「まろき湯の宿 湯元榊原舘」では源泉かけ流しの大浴場だけでなく、シャワーまで源泉100%という贅沢仕様。日帰りプランで入浴と食事がセットになったコースもあり、お伊勢参り前の「湯ごり(身を清める)」体験としても人気を集めています。
ちなみにこのエリアにはRVパーク「湯元榊原館」があり、電源付き駐車場3台分が完備されています。車中泊しながら翌日は伊勢神宮まで車で約20分という好立地なので、温泉ドライブ旅の拠点として非常に使い勝手がいいスポットです。
伊勢志摩エリアで海の絶景と薬草湯の新体験を楽しむ
伊勢神宮参拝のあとに立ち寄りたいのが、伊勢志摩エリアの日帰り温泉です。2026年冬の人気調査で堂々1位に輝いた志摩温泉郷は、英虞湾のリアス式海岸を一望できるロケーションが最大の魅力。太平洋に沈む夕日を眺めながらの露天風呂は、日帰りでも一生の思い出になる贅沢体験です。
このエリアで近年注目度が急上昇しているのが、大型商業リゾート施設VISON(ヴィソン)内にある本草湯。三重大学とロート製薬が共同研究して開発した薬草湯を5日ごとに入れ替えて提供するという、他にはないコンセプトの温浴施設です。年間を通じて72種類もの薬草湯が楽しめるのは日本でもここだけ。薬草サウナやミネラルミストも完備されていて、平日大人1,000円、土日祝1,200円で利用できます。VISONには70以上の物販店や飲食店が集まっているので、温泉のあとのショッピングや食事も思う存分楽しめます。
VISONにはなんと日本最大級のRVパークも併設されていて、プライベートサイト19区画、オープンサイト20区画、フリーサイト21区画という充実ぶり。車中泊で宿泊費を抑えつつ本草湯で心身をリフレッシュするという、温泉ドライブ旅の理想的な拠点になるでしょう。
長島エリア(桑名市)で一日中遊べるスーパー温泉を満喫する
家族連れやグループでのドライブ旅なら、三重県北端に位置する長島温泉湯あみの島が断トツの人気です。ナガシマスパーランドや三井アウトレットパークジャズドリーム長島に隣接しているため、遊んだあとにそのまま温泉へ直行できる便利さが最大の売り。泉質はアルカリ性単純泉で肌に優しい「美人の湯」、もみじ並木に囲まれた大露天風呂は山奥に来たかのような開放感があります。
シルク風呂、高濃度炭酸泉、マッサージバスなど多彩な浴槽が揃い、6種類の岩盤浴ではデトックス効果も期待できます。施設内には和風カフェテリアや中華料理店もあるので、お腹が空いても心配なし。名古屋から車でわずか30分程度とアクセスも抜群なので、ドライブ温泉の入門編としてもぴったりです。
ドライブ旅で押さえたい穴場の日帰り温泉3選
人気施設もいいけれど、せっかく車で自由に移動できるなら、ガイドブックに載りにくい穴場スポットも攻めてみたいですよね。ここでは地元の人に愛されている隠れた名湯を3つ厳選して紹介します。
道の駅「飯高駅」の天然温泉いいたかの湯
三重県内で唯一、温泉施設を併設した道の駅として知られるのが松阪市飯高町にある「飯高駅」です。伊勢自動車道の松阪ICから約40分、奥深い山里の空気を味わいながらのドライブが最高に気持ちいいルート。露天風呂、蒸し湯、釜風呂、薬草風呂、寝湯など11種類もの多彩な湯船が揃っていて、眼下に櫛田川の清流を望みながら入浴できる露天風呂の開放感は格別です。泉質はナトリウム塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉で、切り傷ややけど、冷え性や疲労回復に効果があるとされています。
道の駅なので特産品の直売所やレストラン、そば打ち体験なども楽しめます。さらにRVパークも併設されているため、車中泊してから翌朝VISON方面へ移動するというルートも組めます。ドライブと温泉を組み合わせた旅のプランニングに最適な拠点です。
四日市温泉おふろcafé湯守座で23時間ステイを体験する
「一日中ダラダラ過ごしたい」という願望を叶えてくれるのが、四日市市にあるおふろcafé湯守座です。全14種類のお風呂に加えて、挽きたてコーヒーやマンガ・雑誌が無料で楽しめるカフェスペース、マッサージチェア、Wi-Fiまで完備。朝10時から翌朝9時まで23時間営業なので、平日の休みにフラッと寄って一日じゅう温泉カフェでゴロゴロするという贅沢な過ごし方ができます。
「現代の芝居小屋」をコンセプトに掲げる館内では、東海最大級の劇場で月替わりの大衆演劇も上演されていて、温泉と観劇がセットで楽しめるというユニークな体験が待っています。カプセルホテルも完備しているので、車旅の途中に仮眠を取りたいときにも重宝します。東名阪自動車道の四日市ICから車で約15分です。
いなべ阿下喜ベースで鈴鹿山脈を望む温泉とサウナを堪能する
2024年にオープンしたばかりの注目施設が、いなべ市のいなべ阿下喜ベースです。15年間地元で親しまれた阿下喜温泉あじさいの里が、温泉・サウナ・宿泊・食事を備えた複合施設として生まれ変わりました。赤ちゃんから高齢者まで入れるやさしいアルカリ性天然温泉はそのままに、セルフロウリュ対応のサウナラウンジ「Serow」が新たに加わったことで、温泉好きだけでなくサウナーからも熱い注目を集めています。
併設の「新上木食堂」では、鈴鹿山脈の麓にある自社農園「八風農園」から届く旬の野菜を使った手作り料理が楽しめます。名古屋から車で約1時間、東海環状道のインターからもアクセスしやすい立地。コンテナタイプの宿泊施設もあるので、登山やハイキングの拠点としてもおすすめです。
三重県の日帰り温泉を楽しむための泉質ガイド
温泉は「ただ温かいお湯に浸かる」だけではもったいない。泉質の違いを知っておくと、自分の体調や目的に合った温泉を選べるようになって満足度が段違いに上がります。三重県の代表的な泉質を表にまとめたので、次の温泉旅の参考にしてください。
| 温泉エリア | 代表的な泉質 | 期待できる効能 | おすすめの人 |
|---|---|---|---|
| 湯の山温泉 | ラジウム泉(アルカリ性) | 美肌、神経痛、冷え性改善 | 肌のくすみが気になる方 |
| 榊原温泉 | アルカリ性単純温泉 | 美肌、肩こり、疲労回復 | トロトロの泉質を求める方 |
| 長島温泉 | アルカリ性単純泉 | 美肌、リラックス効果 | 家族連れやレジャー好きな方 |
| 鳥羽温泉郷 | ナトリウム塩化物泉 | 保温効果、筋肉痛緩和 | 海の幸と温泉を両立したい方 |
| 志摩温泉郷 | ナトリウム塩化物泉ほか | 疲労回復、冷え性、打ち身 | 絶景露天風呂を楽しみたい方 |
| 飯高温泉 | ナトリウム塩化物・炭酸水素塩泉 | 切り傷、やけど、慢性皮膚病 | 山間の秘湯で癒されたい方 |
| VISON本草湯 | 薬草湯(72種類を5日ごとに変更) | 季節ごとの体調管理 | 新しい温泉体験を求める方 |
三重県の温泉は全体的にアルカリ性の泉質が多く、肌あたりがやわらかいのが共通した特徴です。特に榊原温泉や長島温泉の「とろみ」のある湯は、入浴後の肌のしっとり感が他の温泉地とは明らかに違うと口コミでも高い評価を得ています。
車旅で得する!温泉ドライブのモデルコース
三重県は南北に長い県なので、1日で全エリアを回るのは現実的ではありません。ここでは出発地別に、無理なく楽しめるドライブ温泉コースを提案します。
名古屋発の日帰りモデルコース
名古屋からなら、まず東名阪自動車道で長島温泉エリアへ向かい「湯あみの島」で朝風呂を楽しむのがおすすめです。所要時間はわずか30分程度。その後、国道477号経由で湯の山温泉エリアの「アクアイグニス」に移動して、源泉かけ流しの温泉と有名シェフの料理でランチを堪能。午後はそのまま御在所ロープウエイで絶景を楽しんでから帰路につくと、充実した日帰り温泉ドライブが完成します。
大阪発の伊勢参り温泉コース
大阪方面からなら、名阪国道経由でまず榊原温泉に立ち寄り「湯ごり」をしてから伊勢神宮へ参拝するという、古くからの伝統的なルートが粋な楽しみ方です。参拝後はおかげ横丁で食べ歩きを楽しんでから、伊勢自動車道でVISON(多気町)に移動し、本草湯でシメの薬草湯に浸かって帰るという流れなら、温泉2か所を無理なく回れます。
温泉のついでに寄らなきゃ損!エリア別おすすめ観光スポット

車の前で困っている人のイメージ
三重県の日帰り温泉はそれだけでも十分に楽しいけれど、せっかく車で出かけるなら近くの観光スポットもセットで回るほうが旅の充実度は断然アップします。ここでは温泉エリアごとに「車で15分以内」で行ける注目スポットを厳選して紹介するので、ドライブプランに組み込んでみてください。
湯の山温泉エリアなら御在所ロープウエイと恋結びの折鶴伝説
湯の山温泉に来たなら、御在所ロープウエイは外せません。全長2161m、標高差780mを約15分で一気に登るロープウエイからの景色は圧巻で、冬はブナやツガの枝先に花のように氷が咲く「樹氷」が見られます。山頂からは名古屋市街まで見渡せる日もあり、晴れた日のパノラマは写真映え間違いなし。山頂公園にはスキー場もあるので、温泉の前後にちょっとした雪遊びを楽しむこともできます。
もうひとつ押さえておきたいのが、湯の山温泉に古くから伝わる「折鶴伝説」にまつわる恋結びスポット。温泉街の大石公園には「恋結びの折鶴」にちなんだモニュメントがあり、縁結びのパワースポットとして若い女性やカップルに人気です。入浴前に恋のご利益をもらってから温泉でほっこりするというデートコースは、SNSでも話題を集めています。
伊勢志摩エリアならミシュラン一つ星の横山展望台へ
志摩温泉郷で湯に浸かったあと、ぜひ足を伸ばしてほしいのが横山展望台です。「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で一つ星を獲得した展望台からは、英虞湾に浮かぶ大小60余りの島々とリアス式海岸の絶景を一望できます。2018年に完成したウッドデッキ調の展望テラスは、まるで空中に浮かぶカフェのような雰囲気。温泉で温まった身体に海からの風が心地よく吹き抜ける、まさに至福の瞬間を味わえます。
さらに志摩エリアでは真珠取り出し体験も外せない観光メニューです。英虞湾は真珠養殖の発祥の地で、市内にある工房では生きたアコヤ貝から自分の手で真珠を取り出し、その場でアクセサリーに加工してもらえる体験プログラムがあります。世界にひとつだけのオリジナルアクセサリーを旅の思い出に持ち帰れるので、特に女性同士やカップルの旅で大好評です。
東紀州エリアなら世界遺産「熊野古道」の石畳ウォーク
三重県南部の温泉を訪れるなら、ユネスコ世界遺産に登録された熊野古道伊勢路の散策をぜひ組み合わせてください。手つかずの自然の中に延々と続く石畳の道は、歩くだけで1000年以上の歴史に触れているような不思議な感覚を味わえます。初心者向けなら「松本峠」ルートが片道約30分と手軽で、峠から望む七里御浜の海岸線はため息が出る美しさ。古道歩きで心地よい汗をかいたあと、近くの「湯ノ口温泉」や紀北町の「きほく千年温泉」で身体を癒すという流れが最高に贅沢な過ごし方です。
伊賀エリアなら忍者の里と松尾芭蕉の生誕地巡り
名阪国道沿いの伊賀エリアには、「さるびの温泉」やキャンプ場併設の島ヶ原温泉といった穴場温泉が点在しています。温泉とセットで楽しみたいのが伊賀流忍者博物館。からくり仕掛けの忍者屋敷やリアルな忍術実演ショーは大人でも十分に見応えがあって、特に子ども連れの家族に大ウケします。また、伊賀は俳聖・松尾芭蕉の生誕地でもあり、「芭蕉翁記念館」や生家跡を巡る文学散歩も趣深い体験です。城下町の風情が残る上野の町並みをのんびり歩いて、帰りに温泉でリフレッシュするという流れは、知的好奇心もお腹も満たしてくれます。
温泉上がりに食べなきゃ後悔する三重のご当地グルメ
三重県は山の幸も海の幸も一級品が揃うグルメの宝庫です。温泉旅の楽しみは湯だけじゃなく、その土地ならではの「胃袋を掴まれる体験」にもあります。ここではエリアごとに、温泉のあとに絶対に食べてほしいご当地グルメを紹介します。
松阪牛は「回転焼肉」で気軽に攻めるのが通の選択
「松阪牛なんて高嶺の花でしょ?」と思っている方に朗報です。松阪市内には、なんと回転寿司ならぬ回転焼肉で松阪牛を提供する店があり、一皿数百円から本場のブランド牛を楽しめるんです。一頭買いで仕入れている専門店なら、ホルモンや希少部位までリーズナブルに味わえます。榊原温泉やVISONからのドライブルート上に松阪市街があるので、帰り道にサクッと立ち寄るのがおすすめ。温泉でほぐれた身体に、じゅわっと脂がのった松阪牛の一切れが溶けていく幸福感はたまりません。
伊勢うどんととこね寿司は「温泉前のカーボローディング」に最適
伊勢神宮のおかげ横丁で食べられる伊勢うどんは、極太のもっちり麺に濃厚なたまり醤油ベースのタレを絡めて食べる三重のソウルフード。一般的なうどんとはまるで別物の食感に最初は驚くかもしれませんが、一度食べるとやみつきになる人が続出する中毒性のある味です。もうひとつの伊勢志摩名物てこね寿司は、カツオやマグロの赤身を醤油タレに漬け込んで酢飯に盛り付けた郷土料理。漁師町ならではの豪快で新鮮な海鮮丼として、ボリュームも満足感も抜群です。
これらの炭水化物しっかり系グルメは、温泉に入る前のエネルギー補給として食べるのがおすすめ。空腹で温泉に入ると湯あたりしやすいので、先にしっかり食事を済ませてから入浴するほうが、身体にも優しいし温泉の効果も実感しやすくなります。
冬限定の鳥羽・浦村エリアの牡蠣は「食べ放題」で勝負
毎年11月から3月にかけて、鳥羽市浦村エリアでは牡蠣の食べ放題小屋が軒を連ねます。目の前の浦村湾で育った1年物の牡蠣は独特の臭みがなく、ぷりっぷりの身に海のミルクと呼ぶにふさわしい濃厚な旨みがギュッと詰まっています。炭火で豪快に焼く殻つき牡蠣を、ひたすら頬張り続ける幸せといったらもう言葉にならないレベル。鳥羽温泉郷で温泉に浸かった帰りに寄れるロケーションなので、冬の三重ドライブ旅では牡蠣小屋と温泉のセットは鉄板のゴールデンコースです。
桑名の「安永餅」と「はまぐりのしぐれ煮」はお土産の大本命
長島温泉エリアでの温泉帰りに忘れずに手に入れたいのが、桑名名物の安永餅です。つぶ餡を包んだ細長いお餅をこんがりと焼き上げた一品で、香ばしい皮としっとり甘い餡のバランスが絶妙。保存料を使っていないため賞味期限はわずか数日と短いのですが、だからこそ現地でしか手に入らない「本物のお土産」として喜ばれます。もし硬くなってしまったらトースターで軽く炙ると、また違った食感と風味が楽しめるのも嬉しいところ。もうひとつ、桑名は天然はまぐりの名産地。しぐれ煮は日持ちもするので、お酒好きな方へのお土産にぴったりです。
季節で変わる三重温泉ドライブの楽しみ方
三重県の日帰り温泉は一年中楽しめますが、季節ごとに「この時期ならでは」の魅力があります。何度でも訪れたくなる理由がここにあるので、旅のタイミングの参考にしてください。
春(3月〜5月)は、湯の山温泉周辺でしだれ桜が咲き誇り、温泉街が華やかなピンク色に染まります。御在所岳のアカヤシオ(ツツジの一種)も4月下旬から見頃を迎え、花見とセットの温泉ドライブが最高に気持ちいい季節です。VISONでは春限定のいちご狩り体験もできるので、薬草湯とスイーツを一日で両方楽しめます。
夏(6月〜8月)は、飯高エリアの奥香肌峡で川遊びをしてから温泉で汗を流すという涼を求めるコースが人気。赤目四十八滝のマイナスイオンたっぷりの渓谷散策もおすすめで、滝のすぐそばにある「赤目温泉隠れの湯」はまさに秘湯の名にふさわしい静けさがあります。名張の湯と合わせて「伊賀の秘湯巡り」を楽しむのも夏ならではです。
秋(9月〜11月)は、湯の山温泉の紅葉が全国的にも有名。御在所岳の山頂から温泉街へと、約1か月かけてゆっくり色づいていく紅葉グラデーションは息をのむ美しさです。長島温泉「湯あみの島」のもみじ並木もライトアップされ、夜の露天風呂から眺める紅葉は幻想的。また、10月から解禁になる伊勢海老漁の本格シーズンでもあるので、志摩温泉郷と旬の伊勢海老を両方楽しめるベストタイミングです。
冬(12月〜2月)は、前述のとおり浦村の牡蠣小屋が最盛期を迎え、あのりふぐも旬を迎えます。冷え切った身体を温泉で芯から温める「寒い日だからこそ温泉が沁みる」という原点回帰の喜びが味わえるのもこの季節。桑名のなばなの里では国内最大級のイルミネーションが2026年5月末まで開催中なので、長島温泉と合わせて光の絶景も堪能できます。
初めてでも失敗しない!日帰り温泉ドライブの持ち物チェックリスト
車で日帰り温泉に出かけるとき、「あれ持ってくればよかった」と後悔する場面は案外多いもの。特に三重県のようにエリアごとに温泉をはしごできる県では、事前の準備が旅の快適さを大きく左右します。何度も温泉ドライブをしてきた経験から、これだけは車に積んでおくべきアイテムをリストアップしました。
- バスタオル2枚とフェイスタオル3枚は最低限。温泉をはしごするなら乾きやすいマイクロファイバー素材が断然おすすめで、使用済みタオルを入れるビニール袋も忘れずに用意しておくこと。
- 着替えの下着と靴下は温泉の数だけ持参するのが鉄則。湯上がりに新しい下着に替えるだけで、次の温泉に向かうドライブの爽快感がまるで違ってくる。
- 冬場のスタッドレスタイヤは湯の山温泉方面では必須級の装備。志摩方面なら不要だが、天気予報は前日にかならず確認しておくこと。
あとは温泉施設にもよりますが、100円玉を10枚ほどポケットに入れておくと、ロッカー代やレンタルタオル代でもたつかなくて済みます。最近はキャッシュレス対応の施設も増えてきましたが、地元の小さな日帰り温泉や道の駅の温泉は現金のみというところもまだ多いので、念のため小銭と千円札は多めに持っておくと安心です。
私の個人的な感想!
ここまで三重県の日帰り温泉について書いてきたけど、正直なことを言わせてもらうと、三重県の温泉は「温泉単体」で勝負するタイプの県じゃないんですよ。草津とか別府みたいに「温泉だけが目的で行く」というよりも、伊勢参り、松阪牛、牡蠣小屋、熊野古道、御在所の樹氷、VISONでの買い物、忍者屋敷の観光……こういうドライブ先での「楽しいこと」のあいだに温泉がスッと差し込まれてくるのが三重の温泉の本当のすごさなんです。
個人的にはこうしたほうが、ぶっちゃけ楽しいし旅を満喫できると思う。つまり、「温泉を主役にしないで、一日のご褒美として使う」という発想です。朝イチで伊勢神宮に参拝して、おかげ横丁で伊勢うどんとてこね寿司をハシゴして、VISONでお土産を物色してから本草湯の薬草湯にドボン。あるいは、午前中に松本峠の熊野古道を歩いて、昼にマグロの町・紀北町で海鮮丼を食べて、帰りにきほく千年温泉で疲れを流す。こういう「動いて→食べて→浸かる」のサイクルが三重の温泉ドライブの真骨頂であって、これをやると身体の奥底から「ああ、リフレッシュしたなあ」という実感が湧くんです。
もうひとつ声を大にして言いたいのが、三重県は「2湯はしご」がちょうどいいということ。1か所だけだとちょっと物足りないし、3か所以上は湯あたりのリスクがあるし移動も慌ただしくなる。たとえば榊原温泉のトロトロ美肌の湯で肌をしっとりさせてから、VISON本草湯の薬草湯で仕上げる。湯の山温泉のアクアイグニスで源泉かけ流しを堪能してから、いなべ阿下喜ベースのサウナで「ととのう」。この2湯の組み合わせを考えるのが、三重の温泉ドライブの一番おもしろいところだと思っています。
それから泉質の話をすると、三重県はアルカリ性の「美肌系」が圧倒的に多い。これは女性にとっては最高なんですが、男性のなかには「もっとガツンとくる硫黄泉とか塩化物泉がいい」と思う人もいるかもしれません。でも騙されたと思って榊原温泉に一度行ってみてほしい。あのトロッとした湯に浸かった後の肌の感触は、性別関係なく「うわ、なんだこれ」ってなります。温泉の良し悪しは泉質の濃さや刺激の強さじゃなくて、入浴後の自分の身体が教えてくれるものなんだなということを、三重県の温泉は改めて気づかせてくれます。
最後に、温泉ドライブの旅を何十回としてきた立場から断言すると、三重県は「初心者が最初に行くべき温泉ドライブ県」のナンバーワンです。理由はシンプルで、名古屋や大阪からのアクセスが良くて日帰りの時間的余裕があること、温泉以外の観光とグルメのコンテンツが圧倒的に豊富で退屈する瞬間がないこと、そしてRVパーク併設施設が多くて車中泊デビューにも向いていること。この3つが揃っている県は全国を探してもなかなかありません。「温泉は好きだけど遠出はちょっと」「車旅に興味はあるけど何から始めれば」という人にこそ、三重県の日帰り温泉ドライブを全力でおすすめしたい。一度体験したら、きっと何度でも通いたくなるはずです。
三重県の日帰り温泉を満喫したいなら知っとけに関する疑問解決
三重県の日帰り温泉は予約なしで行けるの?
多くのスーパー銭湯型施設やアクアイグニス、おふろcafé湯守座などは予約不要で当日ふらっと立ち寄れます。ただし旅館やホテルの日帰りプラン(食事付きや貸切風呂付き)を利用する場合は、事前予約が必要なケースがほとんどです。特に湯の山温泉の旅館系施設は不定休のところもあるので、出発前に電話かホームページで営業状況を確認しておくと安心です。
手ぶらで行っても大丈夫?タオルやアメニティはある?
施設によって異なりますが、多くの日帰り温泉ではレンタルタオルが200円前後で借りられます。アクアイグニスやおふろcafé湯守座のような大型施設はシャンプー、リンス、ボディソープが備え付けなので基本的に手ぶらで大丈夫。旅館の日帰り入浴の場合はタオル持参が求められることもあるので、車のトランクにバスタオル1枚を常備しておくとドライブ温泉がぐっと快適になります。
冬場に車で三重県の温泉に行くとき注意することは?
湯の山温泉エリアは冬場に積雪することがあり、特に御在所岳方面に向かう場合はスタッドレスタイヤやチェーンの準備が必要になることがあります。一方で海沿いの志摩エリアや平野部の長島温泉エリアは冬でも雪の心配はほぼありません。三重県は同じ県内でもエリアによって気候がかなり異なるので、行き先に合わせた準備をしておきましょう。
車中泊しながら温泉巡りはできる?
三重県は車中泊インフラが充実している県です。VISON内の日本最大級RVパーク(60区画)、道の駅「飯高駅」のRVパーク、RVパーク湯元榊原館、鳥羽シーサイドホテルのRVパークなど、温泉施設に隣接したRVパークが複数あります。電源付きサイトも多いので、冬の車中泊でも暖房が使えて快適です。ただし道の駅の一般駐車場での車中泊はあくまで仮眠の範囲にとどめ、長期滞在やキャンプ行為は控えるのがマナーです。
まとめ
三重県は「温泉のイメージがない」と思われがちですが、実際に足を運んでみると70か所以上の温泉地と多彩な泉質に驚かされます。枕草子にも登場する榊原温泉のトロトロの美肌の湯、開湯1300年を超える湯の山温泉のラジウム泉、太平洋の水平線を望む志摩温泉郷の絶景風呂。さらには三重大学とロート製薬が手がけたVISON本草湯の薬草湯や、おしゃれなカフェスタイルのおふろcafé湯守座まで、訪れるたびに新しい発見がある温泉県です。名古屋や大阪からのアクセスも良好で、伊勢神宮参拝や熊野古道散策と組み合わせた日帰りドライブプランが組みやすいのも大きなメリット。RVパーク併設の温泉施設も増えているので、車中泊派にとっても理想的な旅先になっています。次の休日は三重県の日帰り温泉で、心も体もぽかぽかに温まる至福の一日を過ごしてみてはいかがでしょうか。


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