友人や家族から車を譲り受けたとき、個人売買で中古車を購入したとき、あるいは結婚して苗字が変わったとき。こんな場面で必ず必要になるのが車の名義変更です。
実は名義変更を怠ると、50万円以下の罰金が科される可能性があることをご存知ですか?しかも、旧所有者に自動車税の請求が届いたり、事故時のトラブルに巻き込まれたりと、放置すればするほど深刻な問題に発展します。
「でも、名義変更って難しそう…」「業者に頼むと高いって聞くし…」そんな不安を抱えているあなたに朗報です。実は名義変更は、ポイントさえ押さえれば自分で十分できる手続きなんです。業者に依頼すると1万5,000円から5万円かかるところ、自分でやれば3,000円から6,500円程度で済みます。
さらに、2026年1月から施行された行政書士法改正により、名義変更の代行を巡るルールも変わりました。この記事では、最新の法改正情報も含めて、初めての方でも確実に名義変更を完了できるよう、必要書類から陸運局での具体的な手順まで徹底解説します。
- 名義変更は15日以内に行わないと罰則があり、自分で行えば業者依頼の約10分の1の費用で完了できること
- 普通自動車と軽自動車では手続きする場所も必要書類も大きく異なるため事前確認が必須であること
- 2026年から行政書士法が改正され、無資格者による代行が厳しく制限されるようになったこと
- そもそも車の名義変更とは?なぜ必要なのか
- 2026年1月から変わった!行政書士法改正の影響
- 普通自動車と軽自動車で違う!手続きの基本を理解しよう
- 普通自動車の名義変更に必要な書類と入手方法
- 軽自動車の名義変更に必要な書類
- 陸運局での手続き手順を詳しく解説
- オンライン申請(OSS)も選択肢に!ただし注意点も
- 名義変更にかかる費用の内訳
- 名義変更時の注意点とよくあるミス
- 保険の名義変更も忘れずに!
- 特殊なケース相続や県外ナンバーの場合
- 個人売買で車を譲るとき・譲られるときの名義変更トラブル実例と対処法
- 車庫証明取得で失敗しないための実践的テクニック
- 陸運局での手続きを1回で終わらせるためのチェックリスト
- ローン残債がある車・所有権留保付きの車の名義変更
- 結婚・離婚で氏名が変わったときの名義変更は簡単?
- ぶっちゃけこうした方がいい!
- 車の名義変更のやり方に関する疑問解決
- まとめ名義変更は自分でできる!早めの準備が成功の鍵
そもそも車の名義変更とは?なぜ必要なのか

車について疑問を持っている人のイメージ
車の名義変更とは、正式には「移転登録」と呼ばれる手続きで、車検証に記載されている所有者の名前を変更することを指します。車の所有者が変わったときや、結婚・離婚で氏名が変わったときに必要になります。
道路運送車両法第13条では、「所有者の変更があった日から15日以内に移転登録の申請をしなければならない」と定められています。この期限を守らないと、50万円以下の罰金が科される可能性があるんです。
名義変更をしないと、以下のようなトラブルが発生します。まず、自動車税の納税通知書が旧所有者に届き続けるため、新所有者が税金を払わず旧所有者に請求がいってしまいます。交通違反の通知も旧所有者に届き、トラブルの原因になります。
さらに深刻なのが、事故を起こした場合です。車検証上の所有者と実際の使用者が異なると、損害賠償責任が複雑になり、旧所有者にも責任が及ぶ可能性があります。また、自動車保険の保険金が支払われないケースもあるため、必ず期限内に手続きを完了させましょう。
自動車メーカーからのリコール通知も、名義変更していないと届きません。安全に関わる重大な欠陥があっても、通知を受け取れず危険な状態で運転し続けることになりかねないのです。
2026年1月から変わった!行政書士法改正の影響
2026年1月1日から、車の名義変更に関する大きなルール変更がありました。行政書士法第19条に「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という文言が新たに追加され、実質的に報酬を得て書類を作成する行為が全て行政書士の業務に該当すると整理されたのです。
これにより、個人売買で車を購入した際に、無資格者が名義変更の代行を有償で行うことが完全に違法になりました。「格安で代行します」という人に依頼したら、書類が適当で手続きが進まなかった、連絡が取れなくなったというトラブルが後を絶たなかったため、法改正で厳しく規制されることになったのです。
友人や知人が「書類作ってあげるよ」と代わりに申請書を作成したり、知り合いの車屋さんが「ついでにやっておくよ」とサービスで手続きしたりする行為も、今後は法律違反となる可能性があります。違反すると1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処されます。
代行を依頼する場合は、必ず正式な行政書士に依頼することが重要です。自動車販売店やディーラーに依頼する場合も、彼らは行政書士と提携して適法に手続きを行っています。
普通自動車と軽自動車で違う!手続きの基本を理解しよう
名義変更の手続きは、普通自動車と軽自動車で大きく異なります。まず、手続きを行う場所が違います。普通自動車は運輸支局または自動車検査登録事務所で手続きしますが、軽自動車は軽自動車検査協会で手続きします。
必要書類も異なります。普通自動車の場合は実印と印鑑証明書が必須ですが、軽自動車は認印でOKで印鑑証明書も不要です。さらに、普通自動車は事前に車庫証明を取得する必要がありますが、軽自動車は手続き後に届出をするだけで済む地域が多いです。
費用面でも差があります。普通自動車の移転登録手数料は500円かかりますが、軽自動車は手数料無料です。ただし、両方ともナンバープレート代(管轄が変わる場合)や車庫証明代は別途必要になります。
| 項目 | 普通自動車 | 軽自動車 |
|---|---|---|
| 手続き場所 | 運輸支局・自動車検査登録事務所 | 軽自動車検査協会 |
| 印鑑 | 実印が必須 | 認印でOK |
| 印鑑証明書 | 必要(旧所有者・新所有者とも) | 不要 |
| 車庫証明 | 事前取得が必須 | 手続き後に届出(地域による) |
| 移転登録手数料 | 500円 | 無料 |
車検証を見れば、自分の車が普通自動車か軽自動車かすぐにわかります。車検証の「自動車の種別」欄に「普通」と書いてあれば普通自動車、「軽自動車」と書いてあれば軽自動車です。間違った場所に行くと手続きできないので、必ず確認してから出向きましょう。
普通自動車の名義変更に必要な書類と入手方法
普通自動車の名義変更では、旧所有者と新所有者それぞれが用意する書類があります。不備があると何度も足を運ぶことになるため、事前にしっかり確認しましょう。
旧所有者が準備する書類
旧所有者は以下の書類を準備します。まず車検証(原本)が必要です。次に、印鑑証明書を発行から3ヶ月以内のものを取得します。市区町村の役所またはコンビニのマルチコピー機でマイナンバーカードを使って取得できます。手数料は300円程度です。
譲渡証明書は、車を新所有者に譲渡することを証明する書類で、国土交通省のホームページからダウンロードできます。旧所有者の実印を押印する必要があります。委任状も同様に国土交通省のホームページからダウンロードでき、新所有者が手続きを行う場合に必要です。こちらも旧所有者の実印を押印します。
住所が車検証と異なる場合は、住民票や戸籍の附票などで住所の繋がりを証明する書類も必要になります。
新所有者が準備する書類
新所有者が準備する最も重要な書類が車庫証明書(自動車保管場所証明書)です。これは管轄の警察署で申請して取得します。申請から交付まで3日から7日程度かかるため、最も早く準備を始めるべき書類です。
車庫証明の申請には、自動車保管場所証明申請書、保管場所の所在図・配置図、保管場所使用権原疎明書面(自己所有地の場合)または使用承諾証明書(他人所有地の場合)が必要です。これらの書類は警察署で入手するか、各県警のホームページからダウンロードできます。
車庫証明の取得費用は2,500円から3,000円程度です。行政書士や代行業者を利用すると5,000円から1万円程度かかるため、自分で取得すれば費用を抑えられます。
次に印鑑証明書を発行から3ヶ月以内のものを取得します。実印登録がまだの方は、役所へ実印にする印鑑を持って行き、実印登録を済ませてください。実印登録は20分程度で完了し、その後すぐに印鑑証明書を取得できます。
その他、委任状(本人以外が申請する場合)や、車検証の使用者住所と現住所が異なる場合は住民票も必要になります。
当日、陸運局で入手・記入する書類
陸運局では以下の書類を入手して記入します。申請書(OCRシート1号用紙)は窓口で入手できますが、国土交通省のホームページから事前にダウンロードして記入することもできます。手数料納付書も窓口で入手し、500円分の印紙を購入して貼付します。自動車税(環境性能割・種別割)申告書は、隣接する自動車税事務所で入手・提出します。
軽自動車の名義変更に必要な書類
軽自動車の名義変更は、普通自動車に比べて必要書類が少なく、手続きも比較的簡単です。旧所有者は車検証と申請依頼書(旧所有者の認印があるもの)を準備します。
新所有者は住民票(発行から3ヶ月以内のもの、マイナンバー記載なし)を取得します。当日、軽自動車検査協会で自動車検査証記入申請書を入手・記入して提出すれば、手続き完了です。
軽自動車の場合、車庫証明の事前取得は不要ですが、お住まいの自治体によっては手続き完了後に警察署へ「保管場所の届出」が必要な場合があります。詳しくは各自治体に確認してください。
陸運局での手続き手順を詳しく解説
書類が揃ったら、いよいよ陸運局での手続きです。管轄の運輸支局は国土交通省の「全国運輸支局等のご案内」で検索できます。管轄が変わる場合(ナンバーが変わる場合)は、必ず対象の車に乗っていってください。
陸運局へ行くときは、実印を忘れずに持参しましょう。記入ミスがあると、訂正印として必要になります。また、ナンバープレートを取り外すための工具(3番のプラスドライバー)も持参すると安心です。
手続きの流れ
- 窓口で申請書(OCRシート)と手数料納付書を入手し、見本を見ながら記入します。わからないことがあれば窓口で質問できます。
- 印紙販売窓口で500円分の印紙を購入し、手数料納付書に貼付します。
- 記入した書類と持参した必要書類を一緒に窓口に提出します。特に月末や年度末は混み合うので、時間に余裕を持って行きましょう。
- 書類の審査が終わり、不備がなければその場で新しい車検証が交付されます。通常1時間程度で完了しますが、混雑状況によって変動します。
- 隣接する自動車税事務所で、自動車税(環境性能割・種別割)申告書を記入・提出します。環境性能割は車の残存価額が50万円以下であれば課税されません。
- 管轄が変わる場合は、旧ナンバープレートを外して新しいナンバープレートに交換します。取り付け後、運輸支局の係員に封印をしてもらって完了です。
手続き自体は不備がなければ1日で完了しますが、車庫証明の取得に3日から7日かかるため、全体では約1週間前後の期間を見込んでおくと良いでしょう。
オンライン申請(OSS)も選択肢に!ただし注意点も
実は、名義変更手続きはオンラインでも申請できるようになっています。「自動車保有関係手続のワンストップサービス(OSS)」を利用すれば、24時間365日いつでもパソコンから手続きが行えます。
OSSを利用すると、運輸支局や警察署に出向く必要がなく、車庫証明から名義変更、税金の納付まで一括で行えます。仕事や家事で平日に時間が取れない方には便利なサービスです。
ただし、OSSを利用するにはいくつかの条件があります。まず、パソコンはWindows7以降が必要で、Macには対応していません。マイナンバーカードまたは住民基本台帳カード(いずれも電子証明書付き)とICカードリーダーが必要です。また、車庫証明の配置図などをスキャンして画像データとして送信する必要があるため、スキャナーも必要になる場合があります。
さらに、OSSでは車庫証明と登録手続きがセットになっており、車庫証明だけを申請することはできません。印鑑証明書などの重要書類を運輸支局に提出してから車庫の調査が開始されるため、「車庫証明を先行して申請しておく」ということもできないのがネックです。
一般ユーザーにとってはまだ敷居が高いため、実際には自動車販売店やディーラーが行政書士と連携してOSSを利用するケースが多いのが現状です。自分でOSS申請を検討する場合は、国土交通省の「自動車保有関係手続のワンストップサービス」ポータルサイトで詳細を確認してください。
名義変更にかかる費用の内訳
自分で名義変更を行った場合の費用は以下の通りです。
| 項目 | 普通自動車 | 軽自動車 |
|---|---|---|
| 移転登録手数料 | 500円 | 無料 |
| 車庫証明取得費用 | 2,500円から3,000円程度 | 地域により異なる(不要な地域も多い) |
| 印鑑証明書発行手数料 | 300円×2通=600円 | 不要 |
| ナンバープレート代(管轄変更時) | 1,500円から3,000円程度 | 1,500円程度 |
| 合計 | 4,000円から6,500円程度 | 1,500円程度(管轄変更なしなら0円) |
これに加えて、環境性能割(旧自動車取得税)がかかる場合があります。中古車の環境性能割は車種や年式、環境への負荷度合いによって決まりますが、残存価額が50万円以下であれば課税されません。
一方、業者に代行を依頼すると、上記の実費に加えて代行手数料として1万5,000円から5万円程度かかります。自分で行えば圧倒的に費用を抑えられることがわかります。
名義変更時の注意点とよくあるミス
名義変更で最も多いミスが、書類の有効期限切れです。印鑑証明書は発行から3ヶ月以内、車庫証明は発行から1ヶ月以内のものでないと受け付けてもらえません。1日でも過ぎると再取得が必要になるため、期限管理には十分注意しましょう。
次に多いのが記入ミスです。「印鑑証明書の住所と申請書の住所が一字一句合っていない(マンション名の省略など)」「譲渡証明書の実印が不鮮明・相違している」といったケースです。住所は住民票通りに正確に記載し、実印はしっかりと押印しましょう。
管轄が変わる場合は、必ず車を持ち込む必要があります。ナンバープレートをその場で交換するためです。車を持ち込み忘れると手続きができないので注意してください。
また、平日の日中しか手続きできない点も要注意です。警察署や運輸支局は基本的に平日の16時までの受付となっています。平日に時間を取れない場合は、有給休暇を取得するか、業者に代行を依頼することを検討しましょう。
保険の名義変更も忘れずに!
車の名義変更が完了したら、必ず自賠責保険と任意保険の名義変更も行ってください。これを忘れると大きなトラブルにつながります。
自賠責保険は車自体にかけられる保険なので、名義変更しなくても保険期間中は補償されます。しかし、保険証を紛失して再発行するときや事故が起きたときに手続きが煩雑化します。さらに深刻なのが、契約更新のお知らせが届かず、気づかないうちに保険が切れてしまうリスクです。
自賠責保険に未加入の状態で公道を走行すると、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科され、違反点数6点で即座に免許停止処分となります。自賠責保険の名義変更は無料でできるため、車の名義変更と同じタイミングで必ず行いましょう。
任意保険も同様に重要です。所有者が変わったにもかかわらず保険の名義がそのままだと、事故が起きた場合に十分な補償を受けられない可能性があります。家族間での譲渡なら、契約者が変わっても等級の引き継ぎが可能なケースもあるため、加入している保険会社に必ず連絡してください。
特殊なケース相続や県外ナンバーの場合
旧所有者が死亡している場合は、通常の名義変更とは異なる「相続による名義変更」が必要です。相続人が単独か複数か、車の査定額がいくらかといった条件で必要書類が変わってきます。遺産分割協議書、相続人の戸籍謄本、相続人全員の印鑑証明書などが必要になるケースが多いため、詳しくは行政書士や陸運局に確認してください。
県外で購入した中古車の場合、管轄の運輸支局が変わるためナンバーの変更が必要になります。通常は販売店側がすべての手続きを済ませることが多いです。なぜなら、ナンバーを変更する場合、中古車を自ら運輸支局に持ち込み、その場でナンバープレートを取り替えなければならないからです。名義変更が完了していない車を運転する必要があるため、購入者ではなく販売側が行うケースが多いのです。
個人売買で車を譲るとき・譲られるときの名義変更トラブル実例と対処法

車について疑問を持っている人のイメージ
実は名義変更で最もトラブルが多いのが、個人売買や家族間譲渡のケースです。業者を通さないため、「友人だから大丈夫だろう」「家族だし後でやればいい」と油断してしまい、後々大きな問題に発展することが少なくありません。
ここでは、実際によくあるトラブル事例と、それを防ぐための具体的な対処法をご紹介します。
実際に起きた名義変更しないトラブル事例
最も多いのが、車を譲ったのに相手が名義変更してくれないケースです。3月末に友人に車を譲渡したのに、4月1日までに名義変更が完了せず、翌年度の自動車税の納税通知書が旧所有者に届いてしまう。これは非常によくあるパターンです。
さらに深刻なのが、名義変更されないまま新所有者が交通違反や事故を起こすケースです。ナンバープレートから車検証上の所有者が特定され、旧所有者のもとに警察から連絡が来ます。当て逃げやひき逃げなど重大な事故の場合、捜査対象として職場や自宅に警察が訪れることもあり、周囲の目も気になります。
もっと怖いのが、譲った車が犯罪に使用されるケースです。名義変更されていない車が窃盗や詐欺などの犯罪に使われた場合、車検証上の所有者である旧所有者が共犯者として疑われる可能性があります。意図的に名義変更していないと判断されると、事態はさらに深刻になります。
名義変更完了を確認する方法
車を譲った後、本当に名義変更が完了したか不安になりますよね。実は、自分で確認する方法があります。車のナンバープレートの番号と車台番号の全桁を控えておき、最寄りの運輸支局で「登録事項等証明書」の交付請求を行えば、現在の所有者情報を確認できます。
交付請求には手数料300円程度がかかりますが、トラブルを未然に防ぐための必要経費と考えましょう。特に個人売買で車を売却した場合は、1ヶ月後くらいに一度確認することをおすすめします。
名義変更してくれない相手への対処法
もし相手が名義変更してくれない場合、まずは直接連絡を取って現状を確認してください。悪意があるわけではなく、単純に忘れていたり、必要書類を紛失していたり、平日に時間が取れないといった事情があるケースも多いです。
それでも対応してくれない場合は、内容証明郵便で催促しましょう。内容証明郵便とは、「いつ、誰が、誰に、どんな内容の手紙を送ったか」を郵便局が証明してくれるサービスです。法的効力はありませんが、本気度を示すことができ、後々の証拠にもなります。
さらに強力な方法として、納税証明書を渡さないという手段があります。納税証明書がないと次回の車検が受けられないため、名義変更を促す効果が期待できます。また、自治体の自動車税担当窓口で「第三者宛の納税証明書発行停止申請」を行うこともできます。
最終手段として、弁護士に相談して法的措置を取ることも検討しましょう。少額訴訟制度を利用することもできますが、ここまで来るとかなりの時間と労力がかかります。
トラブルを未然に防ぐための具体的な対策
個人売買や家族間譲渡でも、必ず売買契約書を作成しましょう。契約書には、売却日、売却価格、車の情報に加えて、「譲渡から15日以内に名義変更を完了すること」と具体的な期限を明記します。さらに、「期限内に名義変更されない場合は契約を解除し、車を返還する」という条項も入れておくと効果的です。
また、念書の作成も有効です。念書には法的効力はありませんが、約束を取り交わした証拠となり、相手に責任感を持たせる効果があります。買主に「○月○日までに名義変更を完了します」という内容を書いてもらい、記入日も書いて署名捺印してもらいます。コピーして売主と買主双方で保管しましょう。
3月下旬など年度末ギリギリに車を譲渡するのは避けましょう。4月1日までに名義変更が完了しないと、翌年度の自動車税が旧所有者に請求されます。できれば3月中旬までに譲渡を完了させるか、4月以降に延期することをおすすめします。
車庫証明取得で失敗しないための実践的テクニック
名義変更で最も時間がかかるのが車庫証明の取得です。ここで躓くと手続き全体が遅れてしまうため、スムーズに取得するためのコツを知っておきましょう。
配置図・所在図の書き方で失敗しない方法
車庫証明で最も記入ミスが多いのが、配置図と所在図です。配置図は駐車場の詳細図で、所在図は自宅から駐車場までの地図です。これらの書き方を間違えると、警察の現地調査で不備を指摘され、やり直しになります。
配置図を描くときのポイントは、まず駐車スペースの寸法を正確に測ることです。メジャーで実際に測り、縦・横・高さを記入します。車のサイズもしっかり書き、車がスペースに収まることを証明します。駐車場から道路への出入り口の幅も測って記入しましょう。
よくあるミスが、隣接する道路の幅を書き忘れることです。道路幅員が狭すぎると車庫証明が取れない場合があるため、必ず測って記入してください。一般的には、道路幅員4メートル以上が目安とされています。
所在図は、Googleマップなどの地図をコピーして使用できますが、必ず縮尺を記入してください。また、自宅から駐車場までの直線距離が2km以内であることを証明するため、距離も測って記入します。地図上に赤ペンなどで経路を書き込むとわかりやすいです。
保管場所使用承諾証明書を早く入手するコツ
月極駐車場を借りている場合、大家さんや管理会社から保管場所使用承諾証明書を発行してもらう必要があります。これが意外と時間がかかることがあるので、早めに依頼しましょう。
管理会社によっては発行に1週間以上かかることもあります。また、発行手数料として数千円を請求される場合もあるため、事前に確認してください。急ぐ場合は、賃貸借契約書のコピーや駐車場使用料の領収書で代用できる場合があるので、管轄の警察署に確認してみましょう。
分譲マンションの敷地内駐車場を使用している場合は、マンションの管理組合に保管場所使用承諾証明書を発行してもらう必要があります。管理組合の理事会が月1回しか開催されない場合、発行まで1ヶ月かかることもあるため、できるだけ早く依頼することが重要です。
警察署での申請をスムーズに進める裏ワザ
警察署の車庫証明窓口は平日の日中しか開いていないため、仕事を休んで行く必要があります。しかし、昼休みの時間帯は窓口が閉まっている警察署も多いので注意してください。事前に受付時間を確認してから行きましょう。
申請時には、車検証のコピーを持参すると便利です。車検証を見ながら申請書を記入できるため、記入ミスを防げます。また、万が一記入ミスがあった場合に備えて、認印も持参しましょう。訂正印として使用できます。
書類は警察署でも入手できますが、自宅で事前に記入してから持っていくことをおすすめします。警察署の窓口は立って記入しなければならない場合が多く、記入ミスが発生しやすいからです。自宅で落ち着いて座って書いた方が、間違えずに済みます。
申請書をダウンロードして印刷する場合、通常は4枚複写になっているため、同じ内容を4枚書く必要があります。警察署で複写式の用紙をもらえば1回書くだけで済むので、時間がない方は警察署で用紙をもらうことをおすすめします。
陸運局での手続きを1回で終わらせるためのチェックリスト
陸運局での手続きは不備があると何度も足を運ぶことになり、時間と交通費がかさみます。1回で確実に終わらせるための実践的なチェックリストをご紹介します。
出発前の最終確認リスト
陸運局へ向かう前に、以下を必ずチェックしてください。まず、印鑑証明書の有効期限を確認します。発行から3ヶ月を1日でも過ぎていたら受け付けてもらえません。同様に、車庫証明も発行から1ヶ月以内のものが必要です。
譲渡証明書に旧所有者の実印が押してあるか、委任状にも実印が押してあるかを再確認しましょう。実印以外の印鑑が押してあったり、印影が不鮮明だったりすると受け付けてもらえません。
車検証の住所と印鑑証明書の住所が異なる場合は、住民票や戸籍の附票で住所の繋がりを証明する必要があります。これを忘れると手続きできないので要注意です。
管轄が変わる場合(ナンバーが変わる場合)は、必ず車を陸運局に持ち込む必要があります。その場でナンバープレートを交換するためです。また、ナンバープレートを外すための3番のプラスドライバーも持参しましょう。
陸運局で時間を節約する方法
陸運局は月末や年度末、特に3月下旬は非常に混雑します。可能であれば、月の上旬から中旬の平日を狙って行くとスムーズです。また、午前中の早い時間帯の方が比較的空いています。
陸運局に着いたら、まず窓口で「名義変更したい」と伝えると、必要な書類や手順を教えてくれます。わからないことは遠慮せず質問しましょう。親切に教えてくれるスタッフがほとんどです。
申請書(OCRシート)の記入は、窓口周辺にある見本を見ながら行えば間違えません。車検証を見ながら丁寧に記入しましょう。特に車台番号は間違えやすいので、一文字ずつ確認してください。
印紙の購入と書類の提出は、混雑していると時間がかかります。できれば時間に余裕を持って行くことをおすすめします。手続き自体は1時間程度で終わりますが、混雑時は2〜3時間かかることもあります。
ローン残債がある車・所有権留保付きの車の名義変更
実はローンで購入した車の多くは、車検証の所有者欄がディーラーやローン会社になっています。これを所有権留保といいます。この状態では、たとえローンを完済していても、勝手に名義変更や売却ができません。
所有権解除の手順
まず、ローンを完済したら、ローン会社またはディーラーに「所有権解除したい」と連絡します。すると、所有権解除に必要な書類(譲渡証明書、委任状、印鑑証明書など)を送ってくれます。
これらの書類と、自分で用意した印鑑証明書、車庫証明などを持って陸運局で手続きすれば、所有者を自分の名義に変更できます。この手続きを怠ると、後々車を売却したいときや廃車にしたいときに困ります。
ローンを完済したら、必ず速やかに所有権解除の手続きを行いましょう。放置していて、ローン会社が倒産したり書類が紛失したりすると、手続きが非常に複雑になります。
ローン返済中の車を譲渡する場合
ローン返済中の車を他人に譲渡したい場合は、まずローンを一括返済する必要があります。一括返済の方法や手数料については、ローン会社に確認してください。
一括返済後、所有権解除の手続きを行い、自分の名義にしてから、新所有者への名義変更を行います。この二段階の手続きが必要になるため、時間と手間がかかります。
結婚・離婚で氏名が変わったときの名義変更は簡単?
結婚や離婚で氏名が変わった場合も、車検証の名義変更が必要です。正式には「変更登録」といい、所有者が変わる「移転登録」とは少し手続きが異なります。
変更登録に必要な書類は、車検証、住民票(発行から3ヶ月以内、氏名変更の事実が記載されているもの)、申請書、手数料納付書です。実印や印鑑証明書は不要で、認印でOKです。手数料も350円程度と安く、比較的簡単な手続きです。
ただし、結婚で引っ越しも同時に行った場合は、住所変更も必要になるため、車庫証明が必要になるケースがあります。事前に管轄の運輸支局に確認しましょう。
ぶっちゃけこうした方がいい!
ここまで名義変更の手順を詳しく解説してきましたが、正直に言うと、個人的には状況に応じて柔軟に判断するのが一番賢いと思います。
例えば、車を家族から譲り受けるだけで、売却や廃車の予定が当面ないなら、多少費用がかかっても行政書士に依頼した方が楽です。平日に2回も警察署や陸運局に行く時間を確保するのは、仕事を持っている人にとっては相当なストレスですよね。有給休暇を2日も使うくらいなら、1万5,000円から2万円払って代行してもらった方が精神衛生上いいという考え方もアリです。
一方、車を個人売買で購入して、できるだけ費用を抑えたいという場合は、絶対に自分で手続きすべきです。業者に依頼すると3万円から5万円かかるところ、自分でやれば5,000円程度で済みます。この差額でタイヤを新調したり、車内アクセサリーを買ったりできますからね。
重要なのは、車庫証明は絶対に自分で取得することです。車庫証明の代行だけで5,000円から1万円取られますが、実際にやってみると意外と簡単です。警察署に行って書類をもらい、記入して提出するだけ。これで5,000円浮くなら、絶対に自分でやった方がいいです。
あと、これは声を大にして言いたいんですが、個人売買は本当にリスクが高いです。友人や知人から車を買ったり譲ったりするのは、一見お得に見えますが、名義変更トラブルのリスクを考えると、正直おすすめできません。どうしても個人売買する場合は、必ず契約書を作って、15日以内に名義変更することを明記し、1ヶ月後に登録事項等証明書で確認することを徹底してください。
最後に、2026年1月からの行政書士法改正で、無資格者による代行が完全に違法になったことは、実はユーザーにとってプラスです。「格安で代行します」という怪しい業者や個人に依頼して、書類が適当だったり連絡が取れなくなったりするトラブルが減るからです。代行を依頼するなら、必ず正式な行政書士か、行政書士と提携しているディーラー・販売店に依頼しましょう。
結局のところ、名義変更は時間とお金のトレードオフです。時間に余裕があるなら自分でやって節約、時間がないなら専門家に任せて安心。ご自身の状況に合わせて、最適な方法を選んでくださいね。
車の名義変更のやり方に関する疑問解決
車庫証明は必ず必要ですか?
普通自動車の名義変更には原則として車庫証明が必須です。ただし、「同居の家族間で譲渡」かつ「保管場所が変わらない」場合は不要なケースもあります。軽自動車の場合は、手続き後に警察署への「届出」が必要な地域と不要な地域があります。お住まいの自治体に確認してください。
印鑑証明書の有効期限が切れたらどうなりますか?
残念ながら1日でも過ぎると受け付けてもらえません。「発行から3ヶ月以内」のものを必ず再取得してください。車庫証明も発行から1ヶ月以内のものが必要なので、期限管理には十分注意しましょう。
遠方の人から車を譲り受ける場合、どこで手続きすればいいですか?
旧所有者から「必要書類(印鑑証明・委任状・譲渡証明書)」と「車」を送ってもらえば、新所有者が自分の管轄の陸運局で手続きを完結できます。わざわざ旧所有者の管轄に行く必要はありません。
名義変更の期限はいつまでですか?
法律上は「事由が発生してから15日以内」に手続きを行う決まりがあります。期限を過ぎても即罰金とはなりにくいですが、事故や税金のトラブルを防ぐためにも早めに済ませましょう。違反すると50万円以下の罰金が科される可能性があります。
よくある書類の不備は何ですか?
「印鑑証明書の住所と申請書の住所が一字一句合っていない(マンション名の省略など)」や「譲渡証明書の実印が不鮮明・相違している」ケースが多いです。住所は住民票通りに正確に記載し、実印はしっかりと押印しましょう。
代行を依頼する場合、誰に頼めばいいですか?
2026年1月の行政書士法改正により、無資格者による有償代行は完全に違法になりました。代行を依頼する場合は、必ず正式な行政書士、または行政書士と提携している自動車販売店・ディーラーに依頼してください。「格安で代行します」という個人には絶対に依頼しないようにしましょう。
まとめ名義変更は自分でできる!早めの準備が成功の鍵
車の名義変更は、一見複雑に思えますが、必要書類さえしっかり揃えれば自分でも十分に手続き可能です。業者に依頼すると1万5,000円から5万円かかるところ、自分で行えば3,000円から6,500円程度で済みます。
成功のポイントは早めの準備です。特に車庫証明は取得に3日から7日かかるため、車を譲り受けたらすぐに申請を開始しましょう。印鑑証明書の有効期限は3ヶ月、車庫証明は1ヶ月なので、期限管理も重要です。
2026年1月からの行政書士法改正により、無資格者による代行は完全に違法になりました。代行を依頼する場合は必ず正式な行政書士に依頼し、自分で行う場合はこの記事の手順に従って確実に手続きを完了させてください。
名義変更を怠ると50万円以下の罰金が科される可能性があるだけでなく、税金や保険のトラブル、事故時の責任問題など、深刻な問題に発展します。車を譲り受けたら、必ず15日以内に名義変更を完了させましょう。
この記事が、あなたの車の名義変更を成功させる助けになれば幸いです。不明点があれば、管轄の運輸支局や軽自動車検査協会に問い合わせると丁寧に教えてもらえますので、遠慮せず質問してくださいね。


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