災害はいつ起こるかわかりません。2024年1月1日に発生した能登半島地震では、多くの人が車中泊避難を選択せざるを得ない状況に追い込まれました。2016年の熊本地震でも、実に74.5%もの避難者が車中泊を経験しています。もし今、大きな地震や台風が襲ってきたら、あなたの愛車は家族を守る安全な避難場所になるでしょうか?
実は、準備不足の車中泊避難は命に関わるリスクをはらんでいます。エコノミークラス症候群や一酸化炭素中毒といった危険が潜んでいるのです。しかし、正しい知識と装備さえあれば、車は最強の防災シェルターに変わります。
- 災害時の72時間を生き抜くための車内装備の全容
- エコノミークラス症候群と一酸化炭素中毒を防ぐ具体的な方法
- 2026年最新のポータブル電源情報と選び方のポイント
なぜ今、車中泊避難の準備が必要なのか?

車中泊のイメージ
避難所に行けば安心だと思っていませんか?実は東京都の避難所収容可能人数は、人口の22%しかカバーできていません。全国的に見ても避難所は圧倒的に不足しているのが現実です。
熊本地震では、なぜこれほど多くの人が車中泊を選んだのでしょうか。被災者の声からは切実な理由が浮かび上がります。大きな余震が続く中、倒壊の危険がある家では休めない。避難所で寝泊まりしている間、泥棒に入られる不安がある。そして避難所にペットを連れ込むことができない。多くの人が悩み抜いた末、車内が一番安全だと判断したのです。
プライバシーが確保できるのも大きな理由です。避難所では大勢の人が限られたスペースで集団生活を送るため、小さな子どもやペットがいる家族は周囲に気を遣い、精神的なストレスが蓄積します。車中泊なら家族だけの空間が確保でき、冷暖房も使え、スマホの充電やラジオでの情報収集も可能です。
ただし、車中泊避難には正しい知識が不可欠です。準備不足のまま車中泊を始めると、健康を害したり、最悪の場合は命を落とすリスクもあります。
命を守る72時間サバイバルの真実
災害発生後の最初の72時間は、人命救助のゴールデンタイムと呼ばれています。この間、支援隊や救援物資が届かないことが多く、自力で生き延びる必要があります。
実際、能登半島地震の被災者は「なかなか離れることができないし、どこへ行けばいいのかもわからない。でも避難所にいると健康を害しそう」と語っていました。車中泊避難は、このような状況で自分と家族を守るための現実的な選択肢なのです。
72時間を超えると、無料Wi-Fiの解放や電源の供給などが行われ始めますが、それまでの期間をどう乗り切るかが生死を分けます。事前にしっかりと準備しておくことで、この重要な期間を安全に過ごすことができます。
車を防災シェルターに変える7つの必須装備
装備1快適な睡眠を確保するベッドマット
車のシートをちょっと倒しただけで寝られると甘く考えていませんか?実際に試してみると、凸凹がひどくて一晩中ゴロゴロ寝返りを打ち、翌朝は腰がバキバキになります。
さらに危険なのは、座ったまま寝るとエコノミークラス症候群のリスクが高まることです。体を水平にして休むことが健康面でも必須です。車種専用のベッドマットや、手軽に導入できるエアーマットを用意しましょう。
座席の隙間はタオルや毛布で埋め、できるだけフラットな寝床を作ることが重要です。足は心臓から最も遠い部位なので血流が滞りやすく、足を下げて寝ないように工夫してください。
装備2プライバシーを守るカーテンとシェード
車の中が外から丸見えだと、人目が気になって全然眠れません。遮光シェードは便利ですが、朝方の結露でペロッと剥がれ落ちることがあり、毎回貼ったり剥がしたりするのが面倒になりがちです。
1級遮光カーテンがおすすめです。遮光率99.99%以上で、昼間でもかなり暗くできます。カーテンなら開閉が簡単で、シェードも一緒に車に積んでおけば、寒い時期は両方使って断熱効果を高められます。
最近はマグネット式のカーテンもあり、取り付けが楽で注目されています。プライバシー確保は精神的な安定にも直結するため、軽視できない装備です。
装備3生命線となるポータブル電源
災害時にスマホの電池が切れると、情報収集ができず本当に心細くなります。2026年現在、ポータブル電源市場は大きく進化し、1000Whクラスでも10万円を切る製品が増えてきました。
主要ブランドはJackery、EcoFlow、ANKER、BLUETTIの4社で、全体の8割以上のシェアを占めています。防災用として選ぶなら、容量700Wh以上、出力1000W以上の中型から大型モデルが推奨されます。
人気モデルの例としては、EcoFlowの「DELTA 2」(容量1024Wh)、Jackeryの「ポータブル電源 1000 New」(容量1000Wh)、ANKERの「Solix C1000」(容量1056Wh)などがあります。これらがあれば、冬場は電気毛布、夏場は扇風機や冷温庫を使え、スマホの充電はもちろん、電気ケトルでお湯を沸かすこともできます。
ソーラーパネルと組み合わせれば、太陽光で充電でき、長期の停電でも安心です。停電が1週間以上続くこともあるため、エクストラバッテリーも検討するとさらに安心度が高まります。
装備4生存に不可欠な水と食料
災害時は、お店が開いているとは限りません。車中泊だと避難所の炊き出しからも外れる可能性があります。最低3日分、できれば1週間分の備蓄が理想です。
水は1人1日3リットルが目安で、3日分なら1人9リットル必要です。500mlのペットボトルなら持ち運びしやすく、用途に応じて分けて使えるのでおすすめです。ただし、夏場の車内は70℃を超えることもあるため、必ず車載用として設計された保存水を選びましょう。
食料は調理不要で日持ちするものが基本です。缶入りパン、カロリーメイト、アルファ米など、そのまま食べられるものを用意してください。車載用の非常食は高温環境に耐えられるよう設計されているため、通常の非常食よりも安心です。
装備5意外と盲点の簡易トイレ
最初は「なんとかなるだろう」と思いがちですが、実際に長時間車にいると必要性を痛感します。特に女性や高齢者は、トイレの心配から水分摂取を控える傾向があり、これがエコノミークラス症候群を発症しやすくなる原因となります。
1人1日5回として、最低15回分は用意しておきたいところです。臭いの問題もあるので、凝固剤付きのものがおすすめです。大きめのビニール袋も沢山用意しておくと、目隠しやゴミ処理に活用できます。
簡易トイレがあれば、トイレを心配せずに水分補給ができるため、健康維持の観点からも必須アイテムといえます。
装備6緊急時に役立つその他のアイテム
救急セットは、基本的な絆創膏や消毒薬に加えて、持病の薬がある人はそれも忘れずに。お薬手帳のコピーも一緒に入れておくと、医療機関にかかる際に安心です。
ジャンプスターターも意外と重宝します。災害時は車のバッテリーが上がりやすい状況が多く、エアコンをつけっぱなしにしたり、普段より電装品を使ったりするためです。
LEDランタンや懐中電灯も必須です。夜間や停電時の行動には明かりが欠かせません。手回し式充電器と一体になったものなら、電池切れの心配もありません。
その他、脱出ハンマー、ホイッスル、軍手、折り畳み式水タンク、除菌シート、タオル、防寒用のブランケットなども用意しておくと安心です。
装備7燃料は常に満タンに
災害が発生すると、停電によりガソリンスタンドでの給油が困難になったり、燃料の供給自体が停止したりする可能性があります。日常的に燃料を常に満タンに近い状態にしておくことが、非常時に備える上で重要です。
燃料がなければ、カーエアコンで暑さ・寒さを和らげたり、スマホを充電したりすることができません。「ギリギリまで使い切ってから補給する」という習慣は今すぐ改めましょう。
エコノミークラス症候群から命を守る予防法
熊本地震では、車中泊避難をしていた方の中からエコノミークラス症候群(急性肺動脈血栓塞栓症)による死亡者が出ました。長時間同じ姿勢で過ごすことで、足の静脈に血の塊ができ、それが肺に詰まって呼吸困難やショックを起こす恐ろしい病気です。
予防の3つの鉄則があります。第一に、4〜5時間ごとに車外に出て歩いたり、ふくらはぎのマッサージを行うこと。座ったままでもできる足首の回転運動やかかとの上げ下げ運動(1回30回程度)も効果的です。
第二に、こまめな水分補給です。1〜2時間おきにコップ1杯程度の水を飲みましょう。アルコールやコーヒーは利尿作用により脱水状態を進めるため控えてください。ミネラルウォーターや薄いお茶が望ましいです。
第三に、就寝時は体を水平にして、足を心臓より高い位置にすることです。座席の隙間にタオルなどを詰めて平らにし、足元にクッションなどを置いてその上に足を乗せると、血流が促進されます。
着圧ソックス(ひざ下タイプ)の着用も効果があります。医療用のものが理想ですが、市販のものでも血行促進が期待できます。ゆったりとした衣類を着用し、ベルトや下着を緩めるのも有効です。
一酸化炭素中毒の恐怖とその対策
冬場、特に雪が降る地域では深刻な危険があります。積雪が排気口(マフラー)をふさぐと、排気ガスが車内に入り込み、一酸化炭素中毒を起こす恐れがあります。
一酸化炭素は無色無臭のため、気づかないうちに中毒症状が進行します。軽度では頭痛や吐き気、めまいが現れ、重度になると意識障害や死に至ることもあります。
予防策は明確です。就寝時のエンジン停止は絶対に守り、ポータブル電源と電気毛布で安全に暖を取ることが大切です。どうしてもエンジンをかける必要がある場合は、30分〜1時間ごとに換気し、マフラー周辺の雪を定期的に取り除きましょう。
他の車と十分な距離をとって駐車し、エアコンは外気を入れながら動かすことも重要です。一晩中のアイドリングは避け、周囲への配慮も忘れずに。
実際に試して初めてわかる必要なもの
防災グッズを揃えるだけでは不十分です。実際に一度、家にあるものだけで車中泊を体験してみることを強くおすすめします。やってみると、何が足りない、何かが欲しいなど、めちゃくちゃよく分かります。
たとえば、光の遮断が不十分だと全く眠れないことや、思った以上に車内が寒い(または暑い)こと、トイレの問題が想像以上に深刻なことなど、実体験でしか気づけないポイントがたくさんあります。
週末に1日だけでも、実際に車中泊を試してみてください。不便を感じたら、それが次にやるべきことのヒントになります。この「失敗から学ぶ」プロセスが、いざという時に家族を守る力になるのです。
自治体の取り組みと最新動向
車中泊避難の重要性が認識され、自治体レベルでも対策が進んでいます。千葉市では車中泊避難場所として複数の施設と協定を締結し、市の要請等に基づき、施設管理者が施設の安全を確認した場合に開設する体制を整えています。
新潟県や他の自治体でも「車中泊避難ハンドブック」の配布や、避難訓練の実施など、具体的な取り組みが広がっています。ただし、開設期間は最大3日間程度を想定しているため、自分自身での備えが依然として重要です。
トヨタ自動車は「車中泊避難ヘルプBOOK」をWeb上で公開し、車種ごとの情報をまとめて提供しています。このような情報を事前に確認しておくことで、より効果的な準備ができます。
季節ごとの車中泊避難で知っておくべきリアルな対策

車中泊のイメージ
夏の車中泊避難暑さとの本気の戦い
夏の車中泊避難で多くの人が直面するのが、想像を超える暑さです。JAFのテストによると、外気温27℃でもエンジン停止後30分で車内温度は45℃に達し、真夏なら50℃を超えることもあります。
実際に16ヶ月間車中泊生活を送った方の体験談によると、標高と場所選びが全てだそうです。標高が100m上がると気温は約0.6℃下がるため、夏の快適な睡眠温度25〜26℃を目指すなら、標高500〜700m以上の場所を選ぶのがベストです。
ただし、標高の高い場所に行けない場合もありますよね。そんな時は風通しの良い場所を探してください。海岸線沿いの公園や川沿いの道の駅など、山風と海風が吹き抜ける場所は想像以上に涼しくなります。町中でも、川の近くなら冷気が流れ込んで快適だったという実体験があります。
朝日対策も忘れてはいけません。夏場は日の出が早く、朝5時前から日差しが車内に入り込むと、あっという間に車内温度が上昇します。森林の中や建物の影、橋の下など、朝日を遮れる場所に駐車するだけで、寝起きの快適さが全く違います。
扇風機の使い方にもコツがあります。車中泊経験者の多くが実践しているのが、ふくらはぎに風を当てる方法です。いろいろ試した結果、ふくらはぎに風を当てるのが一番冷却効果が高いとのこと。汗をかいても扇風機の風ですぐに乾き、その気化熱で程よく体が冷えます。
接触冷感シーツと吸汗速乾生地のウェアの組み合わせも効果的です。薄い夏用の寝袋ではなく、ブランケットをかけるだけにすると、暑さで目が覚めたときすぐに調整できて便利です。
虫対策も忘れてはいけません。窓を開けると蚊やコバエが侵入してきます。メッシュカーテンを窓に被せるタイプや、マグネットで取り付けるタイプがあり、どれも簡単に使えます。LEDモスキートランタンなら、照明と電撃殺虫器が一体になっていて、狭い車内でも安全に使えます。
冬の車中泊避難凍えない工夫と危険回避
冬の車中泊避難は、夏とは別の意味で過酷です。車は金属の箱なので、外気温の影響を受けやすく、暖房なしでは氷点下になることも珍しくありません。
断熱対策が生死を分けます。ウィンドウシェードやカーテンなどでガラスから伝わる冷気を遮断してください。窓は車内で最も熱が逃げやすい場所です。市販の断熱シートを窓に貼るだけでも、寝床の底冷えを防ぐ効果があります。
寝袋は冬用の3シーズン対応以上を選びましょう。マミー型の寝袋なら頭まですっぽり包まれて暖かいです。銀マットを床に敷くと、地面からの冷気を遮断でき、寝袋の効果が格段に上がります。
電気毛布はポータブル電源と組み合わせて使うのが安全です。消費電力は弱で30〜40W程度なので、1000Whのポータブル電源なら一晩中使っても余裕があります。ただし、就寝中にエンジンをかけるのは絶対に避けてください。雪でマフラーが塞がれると一酸化炭素中毒の危険があります。
保温性の高いインナーや厚手の靴下も必須です。人間の体温は足先から失われていくので、足元の防寒をしっかりすることで全身の暖かさが保たれます。湯たんぽや使い捨てカイロも効果的ですが、低温やけどに注意してください。
車中泊避難場所の選び方失敗から学んだ教訓
災害時、どこで車中泊避難をするかは非常に重要です。場所選びを間違えると、安全性や快適性が大きく損なわれます。
避けるべき危険な場所
まず、二次災害のリスクがある場所は絶対に避けてください。崖下や斜面の近く、川沿いの低地は、土砂崩れや浸水の危険があります。余震が続く中、落石や倒木の恐れがある山間部も避けるべきです。
津波警報が出ている地域の海岸近くや、河川の氾濫警報が出ている場所も危険です。「少しくらい大丈夫だろう」という油断が命取りになります。
交通の妨げになる場所も避けましょう。緊急車両の通行を妨げたり、他の避難者の邪魔になったりすると、トラブルの原因になります。道路上や避難経路、消防車が入れないような場所には絶対に駐車しないでください。
おすすめの車中泊避難場所
自治体が指定した車中泊避難場所があれば、そこが最優先です。千葉市や新潟市など、複数の自治体が車中泊避難場所を用意しています。開設期間は最大3日間程度を想定していることが多いので、事前に確認しておきましょう。
道の駅やサービスエリア、大型商業施設の駐車場も候補になりますが、災害時は混雑が予想されます。早めに到着して場所を確保することが大切です。ただし、これらの施設も被災していて利用できない可能性があるため、複数の候補地を考えておいてください。
地域の公園やスポーツ施設の駐車場も利用できる場合があります。事前に市区町村のホームページで災害時の利用可能施設を確認しておくと安心です。
駐車するときは進行方向に向けて停めるのが基本です。万が一のとき、すぐに発進できるように備えておきましょう。また、運転席付近に荷物を置かず、すぐに動けるようにしておくことも重要です。
実際によくある困りごとと現実的な解決策
トイレ問題の本音誰も語らない現実
簡易トイレは用意していても、実際に使うのは心理的ハードルが高いんです。特に家族で車中泊している場合、音やニオイが気になって使えないという声が多く聞かれます。
現実的な解決策として、昼間のうちにトイレの場所を把握しておくことが重要です。コンビニ、公園、道の駅など、徒歩圏内で利用できるトイレをチェックしておきましょう。夜間は懐中電灯を持って行くのを忘れずに。
簡易トイレを車内で使う場合は、目隠し用のポンチョがあると便利です。家族がいても周りを気にせず使えます。使用後は大きめのビニール袋に密閉し、消臭スプレーを吹きかけておくとニオイが軽減されます。
女性の場合、特に夜間の外出は防犯面で不安がありますよね。複数人で行動する、人通りの多い場所を選ぶなど、安全面に配慮してください。ホイッスルを持ち歩くのも有効です。
子連れ車中泊避難の現実
小さな子どもがいる場合、車中泊避難はさらに難易度が上がります。避難所では周囲に気を遣ってストレスがたまりますが、車中泊なら泣き声を気にせずに済むというメリットがあります。
ただし、狭い車内で子どもが退屈しないよう工夫が必要です。お気に入りのおもちゃや絵本、タブレット端末などを用意しておきましょう。ポータブル電源があれば、充電の心配なく使えます。
チャイルドシートがあると、赤ちゃんを安全に寝かせられます。ただし、長時間同じ姿勢にならないよう、定期的に抱っこしたり体勢を変えたりしてあげてください。
授乳やおむつ替えは、カーテンで目隠しすればプライバシーが確保できます。おむつは多めに用意し、使用済みのものは密閉できる袋に入れましょう。ウェットティッシュやおしりふきもたっぷり用意してください。
離乳食や粉ミルクも必要です。お湯が必要な場合は、ポータブル電源と電気ケトルがあれば簡単に沸かせます。常温で保存できる液体ミルクも備蓄しておくと便利です。
ペット連れ避難の注意点
ペットと一緒に避難所に入れないケースが多いため、車中泊避難を選ぶ飼い主さんは多いです。しかし、ペットにとっても車中泊はストレスがかかります。
温度管理が最重要です。夏場は熱中症のリスクが高まるため、絶対にエアコンなしで車内に残さないでください。冬場も、寒さで体調を崩さないよう、毛布やペット用ヒーターで暖かくしてあげましょう。
トイレ用のペットシーツや猫砂を多めに用意してください。普段使っているフードと水も必須です。災害時はペット用品が手に入りにくくなるので、最低1週間分は用意しておきましょう。
ストレスで吠えたり鳴いたりすることもあります。お気に入りのおもちゃやタオルなど、普段から使っているものを持参すると安心できます。リードや首輪も忘れずに。
環境省の「人とペットの災害対策ガイドライン」には、ペット同行避難の詳細が載っています。事前に目を通しておくことをおすすめします。
費用を抑えて準備する賢い方法
防災グッズを一度に全部揃えようとすると、かなりの出費になります。でも、工夫次第で費用を抑えながら準備することができます。
まずは家にあるもので代用する
最初から専用品を買う必要はありません。たとえば、ベッドマットの代わりに家にある布団やマットレスを使ってみましょう。カーテンの代わりにバスタオルや大きめの布を窓に挟むこともできます。
クッションや枕も、家にあるものでOKです。座席の隙間を埋めるのに、丸めたタオルや使わない衣類を詰めれば、専用のクッションがなくても快適に眠れます。
懐中電灯やランタンも、スマホのライト機能で代用できます。ただし、バッテリーの消耗が激しいので、モバイルバッテリーは必須です。
優先順位をつけて段階的に揃える
全部を一度に揃えるのではなく、優先順位をつけて徐々に装備を充実させるのが現実的です。
第1優先は命に関わるもの水、食料、簡易トイレ、救急セット。これらは絶対に削れません。
第2優先は健康と快適性に関わるものベッドマット、カーテン、モバイルバッテリー。これがないと体調を崩したり、まともに休めなかったりします。
第3優先はより快適に過ごすためのものポータブル電源、電気毛布、扇風機など。予算に余裕ができたら順次追加していきましょう。
セールやアウトレットを活用する
ポータブル電源は定価で買うと高額ですが、Amazonのセールや楽天のスーパーセールなどで30〜40%オフになることがあります。メーカーの公式サイトでもキャンペーンをやっていることが多いので、こまめにチェックしましょう。
アウトドア用品のアウトレットショップも狙い目です。型落ち品や展示品なら、半額以下で手に入ることもあります。機能的には問題ないので、費用を抑えたい人におすすめです。
100円ショップやホームセンターでも、防災グッズが充実してきています。簡易トイレ、アルミブランケット、ウェットティッシュなどは、100円ショップで十分です。
定期的なメンテナンスとチェックリスト
せっかく防災グッズを揃えても、いざという時に使えなければ意味がありません。定期的なメンテナンスとチェックが必要です。
3ヶ月に1度の点検日を決める
カレンダーやスマホのリマインダーに、3ヶ月に1度の点検日を設定してください。季節の変わり目(3月、6月、9月、12月)に合わせると覚えやすいです。
チェックすべき項目は以下の通りです。水と食料の賞味期限を確認し、期限が近いものは入れ替える。ポータブル電源を充電し、正常に動作するか確認する。簡易トイレや救急セットの中身を確認し、不足しているものを補充する。カーテンやシェードに破れや汚れがないか確認する。
ポータブル電源の保管方法
ポータブル電源は自然放電するため、長期間放置すると充電がなくなってしまいます。3ヶ月に1度は充電し直すのが理想です。充電残量が20%を下回ると、バッテリーの劣化が進むので注意してください。
保管場所も重要です。夏場の車内は70℃を超えることもあり、ポータブル電源を車内に置きっぱなしにするとバッテリーが劣化します。自宅の涼しい場所で保管し、災害時に車に積み込むのがベストです。
車のメンテナンスも忘れずに
車中泊避難では、車そのものが避難場所になります。いざという時に車が動かなければ話になりません。
タイヤの空気圧とバッテリーの状態を定期的にチェックしてください。ガソリンスタンドで無料で点検してもらえます。バッテリーの寿命は一般的に2〜3年なので、古くなったら早めに交換しましょう。
オイル交換も忘れずに。メーカー推奨の交換時期を守ることで、エンジンの寿命が延びます。災害時に長時間アイドリングすることもあるため、日頃のメンテナンスが重要です。
ぶっちゃけこうした方がいい!
ここまでいろいろな装備や対策を紹介してきましたが、正直に言います。完璧を目指す必要はありません。
車中泊避難の準備で一番大事なのは、「実際にやってみる」ことです。週末に1日だけでいいから、家にあるものだけで車中泊を試してください。そうすれば、何が本当に必要で、何がなくても大丈夫なのか、体で理解できます。
個人的には、ポータブル電源だけはケチらない方がいいと思います。災害時の安心感が全然違います。1000Whクラスなら、スマホの充電はもちろん、冬は電気毛布、夏は扇風機や小型冷蔵庫が使えて、本当に快適です。10万円前後の投資ですが、これ1台で家族全員の命を守れると考えれば、決して高くありません。
逆に、最初から車種専用のベッドキットとか高額なカスタムをする必要はないです。まずはエアマットと毛布で試して、「これなら続けられそう」と思ってから、徐々にアップグレードしていけばいいんです。
あと、簡易トイレは絶対にケチるな!これマジで重要です。「なんとかなる」って思ってると、いざという時にめちゃくちゃ困ります。1人15回分で計算して、家族全員分用意してください。ニオイ対策の凝固剤付きを選ぶのがコツです。
食料と水は「ローリングストック」が一番楽です。日常的に食べられるものを多めに買っておいて、古いものから消費する。そうすれば賞味期限切れの心配もないし、いざという時にすぐ使えます。カロリーメイトとかゼリー飲料なら、車内に置いてあっても邪魔になりません。
季節ごとの対策も、夏は「標高高いところに逃げる」、冬は「ポータブル電源+電気毛布」で解決します。シンプルですが、これが一番効果的で、費用対効果も高いです。
最後に一番大事なこと。防災グッズを揃えて満足しちゃダメです。3ヶ月に1度、ポータブル電源を充電して、水と食料の期限をチェックする。これだけは絶対にやってください。スマホのリマインダーに入れて、習慣化しましょう。
災害はいつ来るかわかりません。でも、ちゃんと準備しておけば、車は家族を守る最強のシェルターになります。完璧じゃなくてもいい。できるところから、今日から始めましょう。あなたと大切な家族の命を守るために。
車中泊避難に関する疑問解決
車中泊避難は何日くらい続けても大丈夫ですか?
車中泊避難は一般的には推奨されない長期の避難方法とされています。エコノミークラス症候群や一酸化炭素中毒のリスクがあるため、できれば3日以内を目安にして、それ以降は安全な避難所や親戚宅などへの移動を検討すべきです。ただし状況によってはやむを得ず長期化することもあるため、正しい予防策を実践し、日中はなるべく車外で過ごすなどメリハリをつけることが大切です。
どのくらいの容量のポータブル電源が必要ですか?
家族構成や使用する電化製品によりますが、防災用としては700Wh以上、できれば1000Wh以上のモデルを推奨します。スマホ充電だけなら小容量でも十分ですが、冬場の電気毛布や夏場の扇風機、冷温庫などを使うことを考えると、大容量モデルのほうが安心です。停電が2〜3日続く可能性を考えると、1000Whクラスを選んでおくとよいでしょう。
軽自動車でも車中泊避難はできますか?
可能ですが、スペースが限られるため工夫が必要です。後部座席を倒してフラットにし、エアマットを敷くことで寝床を確保できます。ただし、軽自動車は普通車に比べてスペースが狭く、長時間同じ姿勢になりやすいため、こまめに車外に出て体を動かすことがより重要になります。家族が多い場合は、2台に分散して避難することも検討しましょう。
ペットと一緒に車中泊避難できますか?
はい、車中泊避難の大きなメリットの一つがペットと同じ空間で過ごせることです。避難所ではペットと同じ空間で生活できない場合が多く、これが車中泊避難を選ぶ理由の一つになっています。ただし、ペット用の水や餌、トイレシートなども忘れずに準備してください。環境省の「人とペットの災害対策ガイドライン」を事前に確認しておくことをおすすめします。
車のバッテリーが上がらないか心配です
エンジンをかけずにACC状態(アクセサリー状態)で長時間電装品を使用すると、バッテリーが上がる危険性があります。これを防ぐためにポータブル電源の活用が重要です。ポータブル電源があれば、車のバッテリーに負担をかけずに電化製品を使用できます。また、ジャンプスターターも車に常備しておくと、万が一バッテリーが上がってもエンジンを始動できるため安心です。
まとめ今すぐ始める車中泊避難の準備
災害はいつ起こるかわかりません。でも、正しい知識と装備があれば、車は家族を守る最強の防災シェルターになります。
全部を一度に揃える必要はありません。まずはできるところから始めてください。燃料を満タンにする習慣をつけ、水と簡易トイレを車に積み、カーテンを用意する。そして週末に一度、実際に車中泊を体験してみる。これだけでも、いざという時の備えは大きく前進します。
車のスペースは限られているし、予算もあるでしょう。優先順位をつけながら、少しずつ装備を充実させていくことが大切です。特に寒い地域では、就寝時のエンジン停止を守り、ポータブル電源と電気毛布で安全に暖を取ることを忘れないでください。
この記事で紹介した7つの装備とエコノミークラス症候群の予防法、一酸化炭素中毒の対策を実践すれば、あなたの愛車は命を守る頼れる存在に変わります。今日から、賢い備えを始めましょう。あなたと大切な家族の命を守るために。


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