夏に車の故障が多いのはなぜ?暑さに負けるな!原因と対策のすべて

夏に車の故障が多いのはなぜ?暑さに負けるな!原因と対策のすべて 車の知識

真夏の炎天下、高速道路のど真ん中でエンジンが止まる…。

そんな悪夢のようなこと考えたくないですよね。

今日は、夏に潜む車のトラブルについて、私の経験と最新のデータを交えてお話しします。

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炎天下の車内は、まるで砂漠!?


まず、驚くべき事実からお伝えしましょう。真夏の昼下がり、駐車場に止めた車の車内温度は何度になると思いますか? なんと50℃を超えることもあるのです! これは、砂漠なみです。

先日、ある実験で車内にチョコレートを置いてみました。たった10分で完全に溶け、シートに染みついてしまいました。車は私たちみたいに「暑い!」なんて言いませんが、実は車自体もこの猛暑と戦っているのです。

日本自動車連盟(JAF)の最新データによると、夏季の故障出動件数は年間平均の約1.07倍。2023年7月と8月だけでも約40万件もの出動がありました。そのなかでも

【一般道路】

順位 故障内容 件数 構成比 (%)
1 過放電バッテリー 54,762 29.25
2 タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足 40,036 21.38
3 破損/劣化バッテリー 15,632 8.35
4 落輪・落込 10,478 5.60
5 キー閉じ込み 10,072 5.38
6 事故 7,138 3.81
7 発電機/充電回路 5,104 2.73
8 燃料切れ 4,515 2.41
9 スタータモータ 2,329 1.24
10 ハンドルロック・キー作動機構 2,051 1.10
合計 152,117 81.24
その他合計 35,128 18.76
総合計 187,245 100.00

【高速道路】

順位 故障内容 件数 構成比 (%)
1 タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足 3,184 42.70
2 燃料切れ 652 8.74
3 事故 536 7.19
4 過放電バッテリー 276 3.70
5 発電機/充電回路 209 2.80
6 破損/劣化バッテリー 119 1.60
7 オートマチックミッション 95 1.27
8 キー閉じ込み 87 1.17
9 冷却水不足 70 0.94
10 エンジンオイルの不足、補充 67 0.90
合計 5,295 71.02
その他合計 2,161 28.98
総合計 7,456 100.00

【合計】

順位 故障内容 件数 構成比 (%)
1 過放電バッテリー 55,038 28.27
2 タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足 43,220 22.20
3 破損/劣化バッテリー 15,751 8.09
4 落輪・落込 10,494 5.39
5 キー閉じ込み 10,159 5.22
6 事故 7,674 3.94
7 発電機/充電回路 5,313 2.73
8 燃料切れ 5,167 2.65
9 スタータモータ 2,358 1.21
10 ハンドルロック・キー作動機構 2,062 1.06
合計 157,236 80.76
その他合計 37,465 19.24
総合計 194,701 100.00

上記の2つの表は日本自動車連盟 (JAF)が公式サイトで公開している2023年8月1日(火)~2023年8月31日(木)に実際に対応した事故データになっています。

過放電バッテリーとタイヤのパンクやバーストの件数が突出して多いのは見ればわかりますよね。

夏はまるで戦場のようですね。

しかし、これは氷山の一角に過ぎません。実は、多くの車オーナーが気づかないうちに、車にダメージが蓄積されているのです。

暑さが車に与える影響!その意外な真実

「エアコンをガンガンに効かせれば大丈夫」そう思っていませんか? 実は、それが逆効果になることもあるのです。

なぜなら「エアコンをガンガン効かせる」>「エンジンへの負担も大きくなる」>「高温によるオイル粘度低下」>「潤滑性能の低下」>「冷却系統への負担」>「熱交換効率の低下」>「エンジンへの負荷増大」>「バッテリーへもダメージ」という流れになるからです。

エアコンを強く効かせすぎると、バッテリーに大きな負担がかかります。だからこそ、過放電バッテリーが夏は多くなってしまいます。

また、夏のアスファルトは平気で路面温度60℃になりますので、タイヤへの負担も大きくなりゴムの劣化が進むせいでパンクやバーストが他の季節よりも多くなります。

ちなみに、路面温度が60℃に達すると、タイヤの内部温度は100℃にまで上昇。まるでフライパンの上を走っているようなものです。

夏に多い具体的な故障とその原因

車の故障どうする?

車の故障どうする?


では、夏に多い車の故障と原因ってなんなのか。主に暑さが影響しますが、具体的な故障内容がイメージできているのとできていないのでは、実際に起こったときの対応の早さが違います。

オーバーヒート

オーバーヒートの原因としては「冷却水の不足」「ラジエーターの目詰まり」「ファンベルトの劣化」などがあります。

夏の暑さのせいで、冷却システムの効率低下、エンジン内部温度上昇し、金属部品の膨張・変形した結果オーバーヒートを起こしてしまうことがあります。

対策としては、定期的に冷却水の量を確認し、必要に応じて補充します。特に長距離運転前には必ずチェックを行いましょう。

バッテリー上がり

バッテリー上がりの原因としては、高温によるバッテリー液の蒸発や充電不足です。

電解液減少すると、化学反応効率低下してしまい、本来車に蓄えておける蓄電能力の低下してしまった結果バッテリー上がりを起こしてしまいます。

エアコン故障

エアコン故障の原因は「ガス漏れ」「コンプレッサーの故障」などがあります。

「ガス漏れ」「コンプレッサーの故障」が起きると冷媒不足になり、圧縮効率低下し、冷却能力の減少する。そしてエアコンが故障するっていったものです。

タイヤのバースト

タイヤがバーストする原因は、「高温による空気圧上昇」「路面との摩擦熱」が主な原因です。

タイヤがバーストするのは、タイヤの内圧上昇してゴムが軟化すると、タイヤ構造の弱体化して破裂します。これがタイヤがバーストする主な理由です。

プロが教える!意外と簡単な夏のトラブル対策

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さて、ここからが本題です。夏のトラブルを防ぐ秘策、実はとてもシンプルなんです。

例えば、ラジエーター周りの虫や汚れ。これ、実は家庭用の中性洗剤を20倍に薄めた水で優しく洗い流すだけでOKなんです。たったこれだけで、冷却効率が約10%も向上します。

また、バッテリー上がりを防ぐ簡単な方法があります。それは、月に一度、15分以上の連続走行をすること。これだけで、バッテリーの寿命を大幅に延ばせるんです。

ですが、夏に多い故障が実際に起きた時のトラブル対策としたら、起きない対策よりも実際におきたときに何をすればいいのかが重要ですよね。

なので、ここからは実際に起きた時の対処方法についてお話します。

オーバーヒートが起きた時はどうする?

オーバーヒートでエンジン停止したときの対処法としては下記のとおりです。

ですが、先に注意点を挙げときますね。

注意点

  • オーバーヒート時は絶対にラジエーターキャップを開けないでください。高温の蒸気や冷却水が噴き出す危険があります。
  • 応急処置後も異常が続く場合は、無理に走行せず整備工場で点検を受けてください。
  • 予防のため、日頃から水温計や冷却水量をチェックする習慣をつけましょう。
  1. 安全な場所に停車する:できるだけ路肩や駐車場など安全な場所に車を停めます。
  2. エンジンを停止する:直ちにエンジンを切ります。ただし、水温計がHマーク付近まで上がっている場合は、いきなり切らずにアイドリング状態で水温が下がるのを待ちます。
  3. ボンネットを開けてエンジンを冷ます:エンジンが十分に冷えるまで待ちます。この間、絶対にラジエーターキャップを開けないでください。
  4. 冷却水をチェックする:エンジンが冷えたら、リザーバータンクの冷却水量を確認します。不足している場合は補充します。
  5. エンジンオイルを点検する:オイルゲージでオイル量と状態を確認します。不足や劣化がある場合は補充や交換が必要です。
  6. 再始動を試みる:冷却水とオイルに問題がなければ、エンジンを再始動してみます。
  7. 走行できない場合はロードサービスを利用する:自力走行が難しい場合は、JAFなどのロードサービスに連絡して対応を依頼します。

バッテリー上がりが起きた時はどうする?

バッテリー上がりが実際に起きた場合の対処方法は以下の通りです。

ジャンプスターターかブースターケーブルで対応できます。接続順序を間違えると危険なので、説明書を常備しておくことはお忘れなく。

  1. 安全な場所に停車する:まずは車を安全な場所に停車させ、ハザードランプを点灯して周囲に注意を促します。
  2. バッテリー上がりの確認:エンジンがかからない、室内灯やメーターが点灯しない場合はバッテリー上がりの可能性が高いです。
  3. ジャンピングスタートを試みてください。
  4. 他の車から電気をもらう(ジャンピングスタート):ブースターケーブルを使用して、他の車のバッテリーから電気を供給します。以下の手順で行います
  5. 両方の車のエンジンを停止し、ブースターケーブルを準備します。
  6. 赤いケーブルを上がったバッテリーのプラス端子に接続し、もう一方の赤いケーブルを救援車のプラス端子に接続します。
  7. 黒いケーブルを救援車のマイナス端子に接続し、もう一方の黒いケーブルを上がったバッテリーの車の金属部分(エンジンブロックなど)に接続します。
  8. 救援車のエンジンを始動し、数分間アイドリングさせます。
  9. 上がったバッテリーの車のエンジンを始動します。
  10. もしくはジャンプスターターを利用する:携帯用のジャンプスターターを使用してバッテリーを復活させることができます。手順はジャンピングスタートと似ていますが、ジャンプスターターの取扱説明書に従ってください。
  11. バッテリーを交換する:バッテリーが古い場合や劣化が進んでいる場合は、新しいバッテリーに交換することを検討します。バッテリーの寿命は一般的に2〜3年です。
  12. 設定のリセット:バッテリー上がり後、時計やナビなどの設定がリセットされることがあります。これらを確認し、必要に応じて再設定します。
  13. ロードサービスの利用をする:自力で対処が難しい場合やジャンピングスタートがうまくいかない場合は、JAFなどのロードサービスに連絡して対応を依頼します。

エアコンが故障した時はどうする?

車のエアコンが故障した場合の具体的な対処方法は以下の通りです。

  1. 症状を確認する:エアコンが動かない、冷えない、異音がするなど、具体的な症状を把握します。
  2. 基本的なチェックを行う:エアコンスイッチがONになっているか確認します。そして、内気循環にして風量を最大まで上げ、最低温度に設定してみます。
  3. エアコンフィルターを点検・清掃する:フィルターの詰まりが原因の可能性があるため、清掃または交換します。
  4. 専門家に相談する:上記の対処で改善しない場合は、ディーラーや整備工場に相談します。

タイヤのバーストが起きた時はどうする?

バーストした状態でそのまま走行してはいけません。タイヤ以外の部分も損傷する可能性があり、非常に危険です。

車のタイヤがバーストした場合、以下の手順で対処してください。

  1. 安全を確保する:急ハンドルや急ブレーキを避け、ハザードランプを点灯します。そして、ゆっくりと減速し、安全な場所(路肩など)に停車します。
  2. 二次事故を防ぐ:車両後方50m以上離れた場所に停止表示板を設置します。そして、運転者や同乗者も安全な場所に移動します。
  3. 状況を確認する:タイヤの損傷状態を確認して、スペアタイヤに交換しましょう。スペアタイヤがある場合、安全に交換作業ができる環境であれば交換します。
  4. ロードサービスに連絡する:自信がない場合は無理せず、JAFなどのロードサービスに連絡し、援助を要請します。加入している自動車保険にロードサービスが付帯されているか確認し、利用可能であれば連絡します。
  5. 修理または交換を検討する:バーストしたタイヤの修理が可能か、新品への交換が必要かを専門家に相談します。

さあ、夏を楽しもう!

車のトラブルは怖いものです。でも、正しい知識と少しの注意があれば、むしろ夏を最大限楽しむパートナーになってくれます。

事前に加入している保険やカーメーカーのサービス内容を確認。緊急連絡先は車内に貼っておくと安心です。スマートフォンアプリを活用すれば、GPSで正確な位置情報を伝えられます。

今年の夏は、愛車とどんな冒険をしますか? 海へ、山へ、はたまた未知の地へ。夏の思い出作りに、ぜひ愛車を連れて行ってあげてください。きっと、素晴らしい体験が待っていますよ。

最後に、ちょっとした違和感でも感じたら、早めにプロの整備士に相談することをお勧めします。小さな気づきが、大きなトラブルを防ぐことがあるんです。

さあ、準備はできましたか? 素晴らしい夏のドライブを楽しんでください! 安全運転と快適なカーライフを心よりお祈りしています。

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