車を購入しようと考えているあなた、ちょっと待ってください！2026年度から車の税金が大きく変わることをご存知ですか？実は、政府・与党が環境性能割を2年間停止する方針を固めたんです。これ、知っているのと知らないのとでは、数万円から数十万円も損得が変わってくる可能性があります。「環境性能割って何？」「いつ車を買うのがお得なの？」そんな疑問を持つあなたのために、この記事では車購入時の税金について、過去の自動車取得税時代から2028年以降の未来まで、時系列で徹底的に解説します。特に、2026年度からの2年間は環境性能割が完全にゼロになるという驚きの情報は、車購入を検討している方には見逃せない内容です。さらに、2028年度以降に予定されているEVへの追加課税についても詳しく触れていきますので、長期的な視点で車選びを考えている方にも役立つはずです。
環境性能割とは？自動車取得税との違いを知ろう
環境性能割は、2019年10月1日から導入された車を購入する際にかかる税金です。消費税が8%から10%に引き上げられたタイミングで、それまでの「自動車取得税」が廃止され、新たにスタートした制度なんです。
自動車取得税時代は、登録車（普通車）なら一律3%、軽自動車なら一律2%という税率でした。エコカー減税が適用されても、基本的には一定の税率が課されていました。それが環境性能割になってからは、車の燃費性能や環境への優しさに応じて税率が0%から3%の範囲で変動する仕組みに変わったのです。
総務省の説明によると、環境性能割は「自動車がもたらすCO2排出、道路の損傷、交通事故、公害、騒音等の様々な社会的コストにかかる行政需要に着目した原因者負担金的性格を有する普通税」とされています。つまり、環境に負荷をかける車ほど多く税金を払い、環境に優しい車は税金が安くなる、あるいは非課税になるという考え方なんですね。
この税金は都道府県に納める地方税で、正式名称は普通車が対象の「自動車税環境性能割」、軽自動車が対象の「軽自動車税環境性能割」といいます。新車・中古車を問わず、売買などにより車を取得する際に必要で、車の新規・移転登録と同じタイミングで納めます。運輸支局や自動車検査登録事務所内にある自動車税事務所、全国軽自動車協会に申告書を提出して納税する仕組みです。
2026年度からの衝撃的な変更！環境性能割が2年間完全停止
ここからが最も重要な情報です。政府・与党は2026年度から2年間、環境性能割を完全に停止する方針を固めました。これは年末にまとめられる「2026年度与党税制改正大綱」に盛り込まれる予定です。
なぜこのような大胆な措置が取られるのでしょうか？背景には、米国トランプ政権の関税措置による自動車産業への影響があります。自動車業界では国内市場を活性化させる必要性が高まっており、税負担の軽減で国内の自動車販売を促進する狙いがあるのです。
実は自動車業界は長年、環境性能割について「消費税との二重課税になる」として廃止を求めてきました。高市早苗首相も自民党総裁選の際に、環境性能割を2年間凍結する意向を示していたんです。
この2年間の停止により、どのくらいの効果があるのでしょうか？環境性能割は地方税として年間約1900億円から2000億円の税収があります。停止に伴う地方税の減収分は全額国費で穴埋めすることになっており、地方自治体の財政に影響が出ないよう配慮されています。
つまり、2026年度と2027年度の2年間は、どんな車を購入しても環境性能割はゼロ円。燃費性能に関係なく、取得価額に対する税負担がなくなるということです。これは車購入を検討している方にとって、大きなチャンス到来と言えるでしょう。
ただし注意点もあります。2028年度以降の環境性能割のあり方については、今後2年かけて再議論していく旨が2026年度大綱に明記される方針です。つまり、2028年度からどうなるかは、これから決まるということ。2027年度の税制改正で結論が出される予定ですので、今後の動向には注意が必要です。
環境性能割の税率と計算方法を完全マスター
2025年度までの環境性能割、そして2028年度以降に再開される可能性のある環境性能割について、税率と計算方法を理解しておきましょう。
環境性能割の税率は、車の燃費性能などに応じて設定されています。自家用として使用される乗用車の場合、税率は0%から3%の範囲です。新車・中古車による税率の違いはありません。
2025年4月1日から2026年3月31日までに取得した場合の具体例を見てみましょう。燃料電池自動車、プラグインハイブリッド車、電気自動車、一定の基準を満たした天然ガス自動車は非課税です。
ガソリン自動車やLPG車で2005年排出ガス規制75%低減または2018年排出ガス規制50%低減の車の場合、2030年度燃費基準95%達成なら非課税、85%達成なら1%、75%達成なら2%、それ以外は3%となります。クリーンディーゼル車も同様の基準です。
新車購入時の環境性能割は、「取得価額×環境性能割の税率」で計算します。取得価額は「課税標準基準額＋購入時の付加物（オプション）の価格」で算出されます。課税標準基準額は「自動車取得税の課税標準基準額及び税額一覧表」に記載されており、目安としては車両本体価格の約9割程度です。
購入時の付加物とは、新車購入時に追加装着したカーナビやドライブレコーダーなどのオプション装備のこと。車本体に取り付けられ、車と一体化している装備を指します。工具等を要せずに容易に脱着できるフロアマットやシートカバーなどは含まれません。
中古車購入時も計算式は同じですが、取得価額の計算方法が異なります。中古車の場合は「取得価額＝課税標準基準額×残価率」となります。残価率とは、新車登録から年数が経過した車を、新車登録時の価値を1.0として、それからどれくらいの価値が残っているかを表したものです。
例えば、経過年数1年なら残価率0.681、3年なら0.316、5年なら0.146となります。経過年数は初度登録年の1月1日から起算し、車の取得日の属する年の前年末までの年数に、1月1日から6月30日に車を取得した場合は0.5年、7月1日から12月31日に車を取得した場合は1年を加算して計算します。
重要なポイントとして、取得価額が50万円以下になる場合は、環境性能割は課税されません。つまり、古い中古車や軽自動車の場合、計算上非課税になるケースも多いということです。
2028年以降はEVに追加課税？知っておくべき未来の税制
環境性能割が2026年度から2年間停止される一方で、2028年度以降には新たな税制変更が予定されています。それが電気自動車やプラグインハイブリッド車に対する追加の税負担です。
政府・与党は電気自動車とプラグインハイブリッド車について、2028年5月から車体の重さに応じた追加の税負担を課す方向で最終調整に入っています。一般的にガソリン車より重いEVなどは走行時に道路を損傷しやすい面があり、追加の税負担を求める声が出ていたためです。
具体的には、車検時に課される自動車重量税で、EVやプラグインハイブリッド車に特例加算分として追加負担を課す仕組みです。税率はガソリン車の利用者が平均的に負担しているガソリン税などの税負担を踏まえて決められます。ガソリン税を一部負担しているプラグインハイブリッド車の追加負担は、EVの半額程度とすることが検討されています。
ただし、エコカー普及との両立や技術開発を後押しする必要性も踏まえ、大綱には「過度な負担とならないよう配慮する」と明記される方針です。
さらに、地方税として排気量に応じて課されている自動車税でも変更が予定されています。EVや燃料電池車について、車両重量に応じて税額を増やす仕組みを2028年度以降の登録車から導入する方向で調整されています。
これらの変更は、これまで優遇されてきたEVやプラグインハイブリッド車にとっては負担増となります。環境に優しい車を推進しながらも、道路の維持管理費用の負担の公平性を保つという、バランスの取れた税制を目指しているのです。
車購入で損しないための賢い戦略
これまでの情報を踏まえて、車購入で損しないための戦略を考えてみましょう。
まず、2026年度と2027年度は環境性能割がゼロになるため、この2年間は車購入の絶好のタイミングと言えます。特に、これまで環境性能割が高かった燃費性能の低い車や、高額な車を購入する場合は、大きな節税効果が期待できます。
例えば、取得価額が500万円で環境性能割の税率が3%だった場合、本来なら15万円の税金がかかるところ、2026年度・2027年度はゼロ円です。これは見逃せない差ですよね。
ただし、2028年度以降はEVやプラグインハイブリッド車に追加課税が始まります。そのため、EVやプラグインハイブリッド車の購入を考えている方は、2026年度・2027年度に購入すれば、環境性能割もゼロ、かつ2028年5月までは追加の重量税もかからないという、最もお得な期間を活用できることになります。
一方、2028年度以降も見据えるなら、燃費性能の高いハイブリッド車（プラグインではない通常のハイブリッド）も選択肢として有力です。環境性能割が再開されても非課税または低税率になる可能性が高く、EVのような追加課税もありません。
中古車購入を検討している方は、取得価額が50万円以下なら環境性能割は非課税という点を覚えておきましょう。経過年数が5年以上の車なら、多くの場合この基準を満たします。
また、車購入時の付加物（オプション）にも注意が必要です。カーナビやドライブレコーダーなど、車本体に取り付けるオプションは取得価額に含まれますが、フロアマットやシートカバーなど容易に脱着できるものは含まれません。税金を少しでも抑えたいなら、後から自分で取り付けられるアクセサリーは購入後に別途用意するという方法もあります。
環境性能割に関するよくある質問
環境性能割は新車と中古車で税率が違いますか？
環境性能割の税率は新車と中古車で違いはありません。どちらも車の燃費性能に応じて0%から3%の範囲で課税されます。ただし、取得価額の計算方法が異なります。新車は課税標準基準額にオプション価格を加えたもの、中古車は課税標準基準額に残価率を掛けたものが取得価額となります。中古車の場合、経過年数が長いほど残価率が下がるため、結果的に取得価額が50万円以下となり非課税になるケースも多くあります。
2026年度に車を購入すれば本当に環境性能割はゼロ円ですか？
はい、政府・与党の方針では2026年度から2年間、環境性能割が完全に停止されます。つまり、2026年4月1日から2028年3月31日までに車を取得すれば、燃費性能や車種に関係なく、環境性能割の負担はゼロ円となる予定です。ただし、この方針は年末の与党税制改正大綱に正式に盛り込まれる予定ですので、最終的な確定を待つ必要があります。
EVを購入する場合、いつが一番お得なタイミングですか？
EVの購入を検討しているなら、2026年度または2027年度が最もお得なタイミングと言えます。この期間は環境性能割がゼロ円で、かつ2028年5月から始まる予定のEVへの追加重量税もまだ適用されていません。2028年5月以降にEVを購入すると、車検時に追加の重量税が課される可能性があるため、それまでに購入しておくことをおすすめします。
環境性能割が再開される2028年度以降はどうなりますか？
2028年度以降の環境性能割のあり方については、2027年度の税制改正で結論が出される予定です。完全に廃止されるのか、再び導入されるのか、導入される場合はどのような税率になるのかは、まだ決まっていません。今後2年間かけて再議論されることになっていますので、2027年度の税制改正大綱の内容に注目する必要があります。
自動車取得税と環境性能割、どちらが負担は軽いですか？
一概には言えませんが、燃費性能の高い車を購入する場合は環境性能割の方が負担は軽くなります。自動車取得税時代は登録車3%、軽自動車2%という一律の税率でしたが、環境性能割では燃費性能に応じて0%から3%の範囲で課税されます。電気自動車やプラグインハイブリッド車、燃費基準を大きく上回る車は非課税となるため、エコカーを選ぶほど税負担は軽くなる仕組みです。ただし、燃費性能の低い車の場合は、自動車取得税時代と同じ3%の税率がかかることもあります。
まとめ
環境性能割は2019年10月に自動車取得税に代わって導入された税金で、車の燃費性能に応じて0%から3%の税率が課される仕組みです。環境に優しい車ほど税負担が軽くなるという特徴があります。
そして2026年度からの大きな変更として、環境性能割が2年間完全に停止されることが決定しました。2026年4月1日から2028年3月31日までは、どんな車を購入しても環境性能割の負担はゼロ円です。車購入を検討している方にとって、この2年間は大きなチャンスと言えるでしょう。
特にEVやプラグインハイブリッド車の購入を考えている方は、2028年5月から追加の重量税が課される予定ですので、それまでに購入しておくことをおすすめします。環境性能割ゼロ、追加重量税なしという、最もお得な期間を活用できます。
ただし、2028年度以降の環境性能割のあり方は2027年度の税制改正で決まります。今後の動向にも注意を払いながら、賢い車選びをしていきましょう。税制を理解して活用することで、車購入時の負担を大きく減らすことができるのです。
コメント