電気自動車（EV）を中古で買おうとする人にとって、一番の不安は「バッテリーの寿命や性能の劣化」ではないでしょうか。新車時は長い航続距離とスムーズな走りが魅力だったEVも、年数が経つとバッテリーの劣化が避けられず、リセールバリューや実用性に大きな差が出てしまいます。
そこで今、EV購入・導入を検討する法人を中心に注目されているのが、「最大10年保証付きの中古EVリース」です。これはただのリースではありません。損保ジャパン、SOMPOリスクマネジメント、NCSが共同開発に動き出した「業界初の保証型リースサービス」であり、これにより中古EVの最大のネックだった“バッテリー不安”を保険でカバーし、利用者の心理的・経済的リスクを大幅に軽減します。
本記事では、この革新的な取り組みの全貌と、中古EV選びで後悔しないための知識、さらによくある質問にも答えながら、EV購入検討者の疑問にとことん寄り添います。
中古EVの「バッテリー不安」はなぜ起こる？
車について疑問を持っている人のイメージ
EVの心臓＝バッテリーは劣化する運命
EVのバッテリーはスマートフォンと同じリチウムイオン式。充放電を繰り返すことで徐々に性能が低下していきます。これにより、購入当初より航続距離が短くなり、使い勝手が悪くなるケースが多いのです。
メーカー保証は最大8年。それ以降は自己責任？
現在、多くのEVメーカーはバッテリーに対して5年〜8年の保証を設けています。しかし、それを超えると突然の劣化や故障に対し、ユーザーが全額負担となるケースも。中古市場でEVの人気が伸び悩む背景には、この“保証の空白期間”があるのです。
10年保証付きリースという新たな選択肢
なぜ「保険付き」が画期的なのか
今回のスキームでは、初度登録から最大10年間にわたるバッテリー保証がリースに組み込まれます。これは単なる延長保証ではなく、SOMPOグループの保険と技術評価の仕組みが連携することで、バッテリーの状態を常に可視化し、定期的に診断してくれる安心設計です。
再リース・新規リース問わずカバー
法人向けとはいえ、新車だけでなく中古EVや再リース車両も保証対象となっているのがポイント。バッテリーのリスクを理由に導入を躊躇していた企業にとって、導入障壁が一気に低くなる可能性があります。
導入企業とサービス提供の仕組み
3社の役割分担で信頼性を確保
- 損保ジャパンバッテリー保証を組み込んだ保険設計
- SOMPOリスクマネジメント電池評価とリスク管理体制の構築
- NCS（日本カーソリューションズ）法人向けリース商品のパッケージ化
この3社連携により、保険・点検・再販・リサイクルまでのEVライフサイクルが一貫してサポートされる仕組みが整いつつあります。
将来のバッテリー循環型社会への布石
リース後のバッテリー活用も視野に
今後、バッテリーの劣化診断データを蓄積することで、使用済みバッテリーの再利用・リサイクルへの道も開けていくとされています。中古EV市場の活性化だけでなく、循環型社会の構築にもつながるこの動きは、持続可能なモビリティの未来において非常に大きな一歩といえます。
車に関する疑問解決中古EVのバッテリー、どこまで信じていい？
Q. 中古EVのバッテリーって実際どれくらい持つの？
使用状況によって異なりますが、7〜10年が一般的な目安です。ただし、急速充電の頻度や高温環境での使用が多いと劣化が早まる傾向があります。
Q. 中古EVを個人で購入する場合、同様の保証は受けられる？
現時点では法人向けスキームですが、今後は個人向けのバッテリー保証サービスの登場も期待されています。購入時には必ずバッテリー診断書の有無を確認しましょう。
Q. 今後、どんな車種が保証対象になりそう？
リース会社を通じて流通しているリーフ、e-NV200、ミニキャブMiEVなどが中心になると予想されます。これらの車種はバッテリー交換も比較的整備体制が整っているため安心です。
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まとめ中古EVの未来は「保証」で変わる
中古EVは、バッテリー不安さえ払拭できれば圧倒的に魅力的な選択肢です。今回のような最大10年保証付きリースは、法人需要にとっても、環境配慮やコスト削減を両立できる一石二鳥のソリューション。
個人購入者にとっても、今後このような保証付きサービスが広がることで、「中古EVは安いけどバッテリーが怖い」といった常識は覆されていくでしょう。
あなたが次に選ぶEVが、ただの“安さ重視”ではなく、“長く安心して使える1台”であるために。保証の有無こそが、中古EV選びの最大のポイントになる時代が、すぐそこまで来ています。
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