高速道路を走行中、突然の車の故障に見舞われたらあなたはどうしますか?時速100kmで走る車が行き交う高速道路上での故障は、一般道とは比べものにならないほど危険です。実際、高速道路上で人がはねられる重大事故が多発しており、2026年1月20日にはNEXCO中日本が大雪による予防的通行止めの可能性を警告するなど、冬場のトラブルリスクはさらに高まっています。
- 高速道路での故障原因第1位はタイヤトラブルで全体の約40%を占め、一般道の2倍の発生率
- 停止表示器材を設置しないと違反点数1点と反則金6,000円の罰則があることを知らない人が多い
- 車内に留まることは安全ではなく、後続車に追突され命を落とす事故が実際に発生している
高速道路で車が故障する主な原因とは?

車について疑問を持っている人のイメージ
高速道路での故障は一般道とは異なる特徴があります。NEXCO東日本の統計によると、令和4年の全国の高速道路における車の故障原因で最も多いのがタイヤのトラブルで約40%を占めています。JAFの調査でも、一般道路におけるタイヤトラブルが全体の約20%なのに対し、高速道路は約40%と2倍以上になっていることが明らかになっています。
高速道路でタイヤトラブルが多発する理由は、高速連続走行によるタイヤへの負荷が大きいためです。特に空気圧が低下している状態で高速走行を続けると、タイヤのたわみ(変形)が大きくなり、連続したタイヤのたわみによってタイヤが発熱します。この現象をスタンディングウェーブ現象といい、最終的にはバースト(破裂)してしまう危険があります。
タイヤトラブルに次いで多いのが、燃料切れ(ガス欠)で全体の約10%、バッテリー上がりなどの電気系統のトラブル、そしてオーバーヒートです。特にガス欠は人的ミスであり、道路交通法第75条の10により違反点数2点と反則金9,000円(普通車)が科せられる可能性があります。高速道路には一定間隔でガソリンスタンドが設置されていますが、区間によっては150km以上ガソリンスタンドが存在しない場所もあるため注意が必要です。
高速道路で車が故障したときの正しい対処法7ステップ
高速道路での故障時には冷静かつ迅速な対応が命を守ります。以下の7つのステップを必ず実践してください。
ステップ1ハザードランプを即座に点灯させる
車に異常を感じたら、まず赤いハザードスイッチを押してハザードランプを点滅させてください。ハザードランプ(非常点滅表示灯)は、周囲に対する意思表示ができる最も効果的な手段です。高速走行中の車両はすぐに停まることができないため、後続車に故障が発生したことを知らせ、追突事故を防ぐための最初の対処となります。
ステップ2安全な場所に車を移動させる
可能であれば、停車・退避が安全に行えるサービスエリアやパーキングエリアまで移動することが理想です。しかし、急な故障に見舞われた場合は余裕がないことがほとんどでしょうから、可能な限り走行車線を避け、路肩や非常駐車帯に停車しましょう。
非常駐車帯は、故障車・緊急車両・道路管理車両等が停車することを目的に設置されたスペースで、トンネル以外では約500m毎、トンネル内においては約750mを目安に設置されています。橋やトンネルなど路肩が狭かったり路肩がない場合は、可能な限り広い場所まで自走してください。
停車後は、ハンドルを左いっぱいに切っておくことで、万が一後続車に追突された場合でも走行車線側に飛び出すリスクを軽減できます。
ステップ3同乗者を安全な場所に避難させる
車を停止させたら、まず同乗者全員をガードレールの外側など安全な場所に避難させます。避難する際は、必ず周囲の交通状況を確認し、走行車線の反対側(基本は左側)から降車してください。橋や高架など外側に避難できない場合は、追突された際に巻き添えにならないよう、車より後方に避難しましょう。
重要なのは、車内に留まることは決して安全ではないということです。過去には高速道路上で後続車に追突され、車内にいた人が命を落とす痛ましい事故が実際に発生しています。
ステップ4停止表示器材を設置する
同乗者の避難が完了したら、後続車に十分注意したうえで、停車した車の50m以上後方に停止表示器材を設置します。道路交通法第75条の11および道路交通法施行令第27条の6により、高速道路上で停止する際には停止表示器材の設置が義務付けられています。
停止表示器材とは、一般的に赤い三角形の三角停止表示板が知られていますが、紫色に点滅発光する停止表示灯もあります。例えば、トヨタの「パープルセーバー」は高輝度LEDとコンパクトサイズが特徴で、昼間は約500m、夜間は約1,000m先からの視認性を確保します。
ここで注意すべき点があります。停止表示器材は車の標準装備ではないため、ドライバーはあらかじめ購入し、自身の車に搭載しておく必要があります。携行義務はありませんが、設置義務を怠った場合は故障車両表示義務違反となり、普通車で違反点数1点と反則金6,000円が科せられます。
ステップ5発炎筒を使用する(可能な場合)
停止表示器材の設置に加えて、余裕があれば発炎筒を使用して遠方の後続車両にも危険を知らせます。発炎筒(自動車用緊急保安炎筒)は車に備え付けられているグッズで、キャップを外してマッチのようにすって点火すると赤い炎と煙が出る仕組みです。燃焼時間は約5分間で、夜間に200m離れた距離からでも確認できます。
発炎筒は通常、助手席の足下やドアポケットに設置されている車が多いようです。本体をひねりながら抜き、白いキャップ(すり薬が付いている)を外して、本体の発火部分をすり薬でこすって発火させます。火力が強いので、発火した本体が手前にこないよう注意しましょう。
ただし、発炎筒には4年の有効期限があり、期限を過ぎると炎が小さくなり被視認性が落ちることがあるため、定期的な確認が必要です。また、燃料やエンジンオイルが漏れている場合は火災防止のため、発炎筒は使用せず三角表示板のみを使用してください。
ステップ6運転者も安全な場所に避難する
停止表示器材と発炎筒の設置が完了したら、運転者も同乗者と同じくガードレールの外側など安全な場所に避難します。設置作業中は常に後続車に注意を払い、特に大型トラックや大型バスは走行風が強いので注意が必要です。
避難する際は、足元にも十分注意してください。高速道路上で人がはねられる重大事故が多発しており、設置作業は無理のない範囲で行うことが重要です。車線から離れ、ガードレールなどの防護柵より外側の安全な場所を通って移動しましょう。
ステップ7救援を依頼する
全員の安全が確保できたら、速やかに救援を依頼します。高速道路には1kmおきに非常電話が設置されており(トンネル内は200mおき)、受話器を取るだけで道路管制センターにつながります。車の状況、負傷者の有無、道路の状態を報告すると、救急車・警察・JAFなど必要な救援を手配してくれます。
非常電話には「故障」「事故」「救急」「火災」の4つのボタンが備わったタイプもあり、該当するボタンを押すことである程度の状況を伝えることができます。会話が困難な場合でも、受話器を取った時点でどの位置から発信されたかがわかるため、受話器を叩くなどの合図でオペレーターに緊急事態を知らせることができます。
近くに非常電話がない場合は、携帯電話から道路緊急ダイヤル(#9910)に電話しましょう。怪我人がいる場合は119番、事故処理が必要なら110番に連絡します。携帯電話を使う場合は、現在地を特定できるよう、100mおきに設置されているキロポスト(距離標)の数字を確認して伝えてください。
高速道路での故障を未然に防ぐための事前点検
高速道路での故障は命の危機に直結します。事前の点検で防げる故障も多いため、高速道路を利用する前には必ず以下の点検を実施しましょう。
最も重要なのはタイヤの空気圧チェックです。タイヤの空気は自然に抜けていき、だいたい1か月で5%から10%程度低下するといわれています。空気圧を適正値に調整してから高速道路を利用することが、タイヤトラブルを回避する最も効果的な方法です。ガソリンスタンドなどでチェック・調整してもらえるので、高速道路を利用する前に立ち寄りましょう。
また、タイヤの溝の深さ、ひび割れの有無も確認してください。タイヤは使用開始から3年から5年ほど経つと弾力性や強度が損なわれ、パンクする可能性が高まります。
燃料切れを回避する方法は当然のことながら、目的地に着くために必要な量の給油を事前に済ませておくことです。お盆や年末年始など、渋滞が予測されるシーズンに高速道路を利用するときは、できるだけ多めに給油をしておくことをおすすめします。
トンネル内で火災が発生した場合の特別な対応
トンネル内で火災を確認したときは、通常の故障時とは異なる対応が必要です。自身の車由来の場合でも、その他の原因の場合でも、速やかに車外へ避難することが最優先です。
車から離れるときは可能な限り「左寄せ」「サイドブレーキ」「エンジン停止」「ドアロックはしない」「キーは室内に」の状態にします。トンネル内は路肩が狭いため、できるだけトンネルの外に出るか非常駐車帯に入る努力をしてください。
トンネル内では、200mおきに非常電話が設置されている他、50mおきに押しボタン式通報装置が設置されています。押しボタン式通報装置を長押しすることで、自動で火災通報が行われます。
高速道路で故障車を見かけたときの対応
自分が走行中に前方で停止している車両を発見した場合の対応も重要です。高速道路では多くの車が高速で走行しているため、危険があることを十分に意識して運転する必要があります。
高速道路上の危険情報は、一定距離ごとに設置されている電光掲示板に表示されるため、よそ見運転にならないよう注意しつつ確認するようにします。事故情報や落下物の情報を確認したら、走行速度を落とすようにしましょう。また、ハイウェイラジオで情報を収集するのもおすすめです。
前方に停止している車両を発見したら、近くにドライバーや同乗者がいる可能性があります。死角から出てくる可能性もあるため、後続車両にも注意しつつ、十分に速度を落として走行するようにします。困っている様子だったとしても、むやみに停止はせず、警察や道路緊急ダイヤル(#9910)へ通報して対応を依頼するようにしましょう。
自走不可能になった場合の通行料金について
事故や故障によって自走出来なくなってしまった場合の通行料金も気になるポイントです。自走が不可能になった車両が積載車に載せられて移動する場合の通行料金は以下の通りです。
自走不可車両は、自走不可になってしまった車両が流入したICから積載する地点の進行方向の次のICまでの料金が課せられます。積載車は、積載車が流入したICから積載車が流出したICまでの料金が課せられます。通行料金に関しては大きく上回って請求されるということはないのでご安心ください。
実際に体験してわかった!高速道路故障時のリアルな困りごとと解決策

車について疑問を持っている人のイメージ
ここからは、実際に高速道路で故障を経験した人や、ロードサービスのプロが直面する「教科書には載っていないけど知っておくべき現実」についてお話しします。
パニックになったときの心理状態と冷静さを保つ方法
高速道路で突然車が故障したとき、多くの人がパニック状態に陥り、正常な判断ができなくなります。実際のJAFの出動事例では、「何をすればいいのか頭が真っ白になった」「とりあえず車内で待機してしまった」という声が非常に多いのです。
パニックを防ぐ最も効果的な方法は、事前にシミュレーションしておくことです。「もし今この場所で故障したら」と想像しながら運転することで、いざというときの行動が自然に出てくるようになります。また、家族や同乗者と一緒に「高速道路で故障したらこうしよう」と話し合っておくことで、実際の場面でお互いがサポートし合えます。
心理学的に、人は強いストレス下では「記憶の検索能力」が著しく低下します。そのため、「ハザード→路肩→避難→表示→連絡」という5つのキーワードを覚えておき、車のダッシュボードに書いたメモを貼っておくのも効果的です。
小さな子供や高齢者、ペットがいる場合の現実的な対処法
教科書的な対応では語られませんが、小さな子供や高齢者、ペットを連れている場合の避難は想像以上に困難です。特に夏場の炎天下や冬場の極寒の中、ガードレールの外で長時間待機するのは厳しいものがあります。
実際の対応としては、まず優先順位を明確にします。命を守ることが最優先なので、多少の不快感は我慢してでもガードレールの外に全員を避難させることが重要です。しかし、その上で工夫できることもあります。
例えば、非常時用の防寒・防暑グッズを車に常備しておくことです。アルミブランケット、カイロ、ペットボトルの水、日傘などは場所も取らず、いざというときに大きな助けとなります。また、ベビーカーがある場合は、避難時にも活用できます。赤ちゃんを抱っこしながら50m以上後方に停止表示器材を設置するのは非現実的なので、もう一人の大人がいれば役割分担し、いなければ設置を諦めて避難を優先することも現実的な選択です。
ペットについては、キャリーケースに入れて一緒に避難するのが基本ですが、大型犬の場合はリードをしっかり持って避難します。高速道路の騒音と後続車の走行風でペットもパニックになる可能性があるため、落ち着かせる声かけを続けることが重要です。
深夜の高速道路で故障したときの特別な不安と対策
深夜の高速道路での故障は、昼間とは比べものにならない不安を伴います。周囲は暗闇、通行する車も少ない、そして気温も下がる。特に女性や高齢者の場合、「一人でガードレールの外に立っているのが怖い」という心理的なハードルがあります。
深夜の場合、発炎筒の視認性が昼間よりも格段に高くなるため、必ず使用しましょう。また、スマートフォンのライトを点灯させて自分の位置を後続車に知らせることも効果的です。ただし、バッテリー残量には注意が必要で、救援依頼の電話ができなくなっては本末転倒です。
非常電話を使う場合、深夜でも道路管制センターのオペレーターは24時間対応しています。「一人で怖い」「寒くて震えている」といった状況も正直に伝えることで、オペレーターが適切な声かけをしてくれたり、救援の優先順位を上げてくれることもあります。
雨天時や雪の日の高速道路故障で本当に困ること
晴天時の故障でも大変ですが、雨天時や雪の日の故障は危険度が数段跳ね上がります。視界が悪く、路面も滑りやすいため、後続車の追突リスクが格段に高まるのです。
2026年1月21日から25日にかけて、NEXCO中日本が大雪による予防的通行止めを実施する可能性を発表したように、冬場の高速道路はリスクが高まります。雪や凍結路面でのタイヤトラブルは、通常の何倍も危険です。
雨天時の対応で重要なのは、レインコートを車に常備しておくことです。傘をさしながら停止表示器材を設置するのは非現実的で、両手が塞がって危険です。100円ショップで購入できるレインコートで十分なので、必ず車に積んでおきましょう。
また、雨天時は発炎筒が消えやすくなるため、LED非常信号灯の方が実用的です。防水仕様のものを選べば、雨天時でも確実に機能します。
雪の日の場合、ガードレールの外側も雪が積もっていて立っているのが困難な場合があります。この場合は、できるだけ路肩の広い場所に車を寄せ、車内に留まりつつも、常に後方を警戒するという判断も必要になることがあります。ただし、これは本当に最終手段であり、基本は外に出ることが原則です。
車載の工具や装備で本当に必要なものは何か?
停止表示器材や発炎筒以外に、高速道路での故障に備えて本当に役立つアイテムがあります。これらは実際にロードサービスのプロも推奨しているものです。
まず、懐中電灯は必須です。スマートフォンのライトでも代用できますが、バッテリーを消耗するため、専用の懐中電灯があると安心です。最近はLED式で長時間使えるものが安価に手に入ります。
次に、作業用手袋です。停止表示器材を設置する際、路面は想像以上に汚れていますし、冬場は金属部分が冷たくて素手では触れません。軍手でも構いませんが、滑り止め付きの作業用手袋があればベストです。
反射ベストまたは反射タスキも非常に有効です。法的な義務はありませんが、ガードレールの外側で待機する際、後続車からの視認性が格段に向上します。ヨーロッパでは法的に義務付けられている国もあるほど、安全性が高いアイテムです。
そして意外と盲点なのがゴミ袋です。雨天時に濡れたものを入れたり、非常時の簡易トイレとして使えたり、防寒具の代わりにしたりと、用途は多岐にわたります。大きめのゴミ袋を数枚、車に常備しておくことをおすすめします。
ロードサービスの到着までにかかる現実的な時間と待機のコツ
JAFや保険会社のロードサービスを呼んだ場合、実際に到着するまでの時間は場所や時間帯によって大きく異なります。都市部の高速道路で昼間なら30分から1時間程度、地方の高速道路や深夜であれば1時間以上かかることも珍しくありません。
ゴールデンウィークやお盆、年末年始などの繁忙期は、出動件数が通常の何倍にもなるため、2時間以上待つことも覚悟しなければなりません。2023年のお盆シーズンには、高速道路でのタイヤパンクの出動だけで37.40%を占めたというデータもあります。
長時間の待機で重要なのは、体調管理です。特に夏場の炎天下では熱中症のリスクがあり、冬場は低体温症のリスクがあります。救援を待つ間も定期的に水分補給を行い、寒い場合は体を動かして体温を維持することが大切です。
また、待機中は後続車の動きを常に意識してください。まれに、よそ見運転や居眠り運転の車が路肩に突っ込んでくることがあります。特に大型トラックが通過する際は、その走行風だけでも人が飛ばされそうになることがあるため、ガードレールをしっかり握るなどの対策が必要です。
保険とロードサービスの選び方で失敗しないポイント
任意保険には通常ロードサービスが付帯していますが、その内容は保険会社によって大きく異なります。特に高速道路での故障に関しては、サービス内容をよく確認しておく必要があります。
多くの保険会社のロードサービスは、レッカー移動の距離に制限があります。例えば「最寄りの修理工場まで50kmまで無料」といった具合です。しかし、高速道路で故障した場合、最寄りのインターチェンジまで降りて、そこからさらに修理工場まで運ぶ必要があるため、想定以上に距離がかかることがあります。
一方、JAFの場合は会員であれば、高速道路での故障に関しても基本的な作業は無料です。タイヤ交換、バッテリー上がり、キー閉じ込み、燃料切れなど、多くの場面で追加料金なしで対応してもらえます。特に高速道路を頻繁に利用する人や、長距離ドライブをする機会が多い人は、JAF会員になっておく価値があります。
また、クレジットカードの付帯サービスとしてロードサービスが付いているものもありますが、こちらも内容をよく確認してください。高速道路での対応が含まれていない、あるいは回数制限があるなど、緊急時に使えないケースもあります。
こんなときどうする?リアルな疑問を一問一答
実際の故障現場で直面する細かい疑問について、体験ベースでお答えします。
Qトイレに行きたくなったらどうすればいい?
長時間待機中にトイレに行きたくなることは十分あり得ます。原則として、高速道路本線上を歩くことは極めて危険なので避けるべきです。最寄りのサービスエリアまで歩くのも、数キロ離れていることが多く現実的ではありません。緊急時は、ガードレールの外側で携帯トイレやゴミ袋を使うなどの対応が必要になります。だからこそ、高速道路に入る前のトイレは必ず済ませておくべきなのです。
Qスマートフォンのバッテリーが少ないときはどうする?
救援依頼が最優先なので、まず道路緊急ダイヤルや110番、119番に電話することに使います。その後、モバイルバッテリーがなければ、スマートフォンは省電力モードにして、必要最低限の使用に留めます。車のシガーソケットから充電できる場合もありますが、バッテリー上がりの故障の場合は使えません。日頃からモバイルバッテリーを車に常備しておくことが重要です。
Q自動車保険の証券番号が分からないときは?
最近は保険証券を紙で保管していない人も多く、スマートフォンが使えなくなると証券番号が分からなくなることがあります。しかし、JAFや道路管制センターに連絡する際は、車のナンバープレートと氏名が分かれば対応してもらえます。保険会社への連絡も、氏名と車両情報で照会できるので、証券番号が分からなくても大きな問題にはなりません。ただし、事前にスマートフォンのメモアプリなどに保険証券番号と連絡先を登録しておくことをおすすめします。
Qドライブレコーダーの映像は後で役に立つ?
故障の場合は直接的には役立ちませんが、事故の場合は状況を証明する重要な証拠になります。また、故障に至るまでの経緯(異音がしていた、警告灯が点灯していたなど)を記録できている場合もあり、原因究明に役立つことがあります。ドライブレコーダーがある場合は、SDカードのデータを保存しておくことをおすすめします。
季節別・状況別の高速道路故障対策の実践テクニック
夏場の高速道路で特に注意すべきこと
夏場、特に8月のお盆シーズンは高速道路での故障が最も多発する時期です。JAFのデータによると、2023年のお盆シーズンの高速道路での出動理由第1位は「タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足」で37.40%を占めています。
夏場にタイヤトラブルが増える理由は、高温によってタイヤ内部の空気が膨張し、既に劣化していたタイヤがバーストしやすくなるためです。さらに、高温のアスファルトとの摩擦で発熱が加速し、スタンディングウェーブ現象が起きやすくなります。
夏の高速道路利用前には、タイヤの空気圧を必ず確認し、適正値より若干低めに調整しておくことがポイントです。ただし、低すぎてもバーストのリスクが高まるので、メーカー指定値を基準にしてください。
また、夏場はオーバーヒートのリスクも高まります。エアコンをフル稼働させながらの長距離走行は、エンジンに大きな負担がかかります。渋滞に巻き込まれた場合は特に注意が必要で、水温計の針が上がり始めたら、エアコンを一時的に切ることも検討してください。
故障時の待機も過酷です。炎天下のガードレール外で長時間待つのは熱中症のリスクがあるため、水分補給できるペットボトルと日傘を車に常備しておくことを強くおすすめします。
冬場の雪道での故障は命に関わる
冬場、特に雪が降る地域の高速道路での故障は、夏場以上に深刻です。2026年1月20日にNEXCO中日本が発表したように、強い冬型の気圧配置により大雪が予測される際には、予防的通行止めが実施されることがあります。
雪道での最大のリスクは、視界不良による追突事故です。吹雪の中では、停止表示器材も発炎筒も視認性が大幅に低下します。こうした状況では、LED非常信号灯が最も効果的ですが、それでも後続車からの発見が遅れるリスクがあります。
冬場の故障で特に注意すべきは、防寒対策です。車を止めてエンジンを切ると、車内の温度は急速に下がります。ガードレールの外で待機する場合、体感温度はさらに低くなります。防寒着、手袋、帽子、ブランケットなどを車に常備し、いざというときに身につけられるようにしておきましょう。
また、雪道ではスタッドレスタイヤやチェーンを装着していても、古くなっていれば効果は半減します。冬用タイヤの溝の深さは、最低でも4mm以上必要で、それ以下になると高速道路での使用は危険です。
GWや年末年始の渋滞時の故障リスク
ゴールデンウィークや年末年始などの大型連休は、高速道路が大渋滞します。この時期の故障で特に問題なのが、ロードサービスの到着が大幅に遅れることです。通常なら1時間以内に到着するところが、2時間、3時間待つことも珍しくありません。
渋滞中の故障で最も多いのがガス欠です。停止と発進を繰り返す渋滞走行は、燃費が通常の数倍悪化します。「まだ大丈夫だろう」と思っていると、思わぬところでガス欠になってしまいます。渋滞が予想される場合は、必ず満タンにしてから高速道路に入ることが鉄則です。
また、渋滞中にバッテリー上がりが発生することもあります。エアコンやオーディオ、スマートフォンの充電などで電力を消費し続けると、アイドリング状態での発電量では追いつかなくなるのです。
ぶっちゃけこうした方がいい!
ここまで高速道路での故障対応について詳しく解説してきましたが、正直なところ、完璧に対応するのは現実的にはかなり難しいんですよね。
理論上は「停止表示器材を50m後方に設置して」「発炎筒も点けて」「全員避難して」となりますが、実際の場面では後続車がビュンビュン走ってくる中で50m後方まで歩くのって、めちゃくちゃ怖いんですよ。特に大型トラックが横を通過するときの風圧なんて、体が飛ばされそうになるレベルです。
だから個人的には、「無理しない」ことが一番大切だと思っています。もちろん法律で決まっていることは守るべきですが、命を守ることが最優先。停止表示器材の設置が危険だと判断したら、諦めて避難を優先する勇気も必要です。違反点数1点と反則金6,000円は確かに痛いですが、命には代えられません。
それよりも、そもそも故障しないための準備に時間とお金を使う方が、圧倒的に合理的です。月に一度、ガソリンスタンドでタイヤの空気圧をチェックしてもらう。これだけで高速道路での故障リスクは40%減らせます。年に一度、ちゃんとした整備工場で点検を受ける。これだけでバッテリー上がりやオーバーヒートのリスクも激減します。
そして、JAFに入っておくこと。これマジでおすすめです。年会費4,000円程度で、高速道路での故障時の心理的な安心感が全然違います。「何かあってもJAFが来てくれる」と思えるだけで、運転のストレスが減りますし、実際にトラブルになったときの金銭的負担も大幅に軽減されます。
最後に、一番大事なことを言います。「無理して高速道路を使わない」という選択肢も、ぶっちゃけアリなんです。天気予報で大雪や大雨が予想されているとき、車の調子がなんとなく悪いとき、疲れているとき。こういうときは、予定を変更したり、一般道で行ったり、公共交通機関を使ったりする勇気も大切です。
高速道路での故障は、どんなに準備していても完全には防げません。でも、準備をしっかりしておくことで、リスクは大幅に減らせます。そして万が一のときも、冷静に対応できる心の余裕が生まれます。この記事で紹介した内容を参考に、あなたなりの「高速道路安全運転マニュアル」を作ってみてください。完璧を目指すのではなく、現実的にできることから始める。それが、結局は一番効果的な安全対策なんです。
よくある質問
高速道路での故障時、自分でタイヤ交換してもいいですか?
いいえ、高速道路上での自己修理は絶対に行わないでください。一般道ならスペアタイヤに交換する手もありますが、高速道路で行うと事故を誘発する危険があります。必ずJAFやロードサービスに救援を依頼してください。JAFの出動件数でもタイヤのパンクはNo.1のトラブルで、年間で数万件も出動しています。
停止表示器材は必ず車に積んでおく必要がありますか?
停止表示器材の携行は義務ではありませんが、高速道路上で停止する際の設置は義務です。設置しなかった場合は故障車両表示義務違反となり、普通車で違反点数1点と反則金6,000円が科せられます。車の標準装備ではないため、カーショップなどで購入して常備しておくことを強くおすすめします。
道路緊急ダイヤル(#9910)はどんなときに使えますか?
道路緊急ダイヤルは、自身の車の故障だけでなく、落下物、逆走車、人や自転車等の立ち入り、路面の穴ぼこなど、車両の通行に支障をきたす道路の異常や緊急事態を発見した際に使用できます。全国の高速道路、国土交通省が管理する国道はすべて対象となり、24時間無料で利用できます。
JAF会員でない場合、ロードサービスの料金はどれくらいかかりますか?
JAF非会員の場合は都度費用が発生します。高速道路での故障は一般道よりも作業が危険を伴うため、料金が高くなる傾向があります。JAF会員であれば24時間いつでも・何度でも無料でロードサービスを受けることができるため、高速道路を頻繁に利用する方は加入を検討することをおすすめします。
発炎筒の有効期限が切れていても使えますか?
発炎筒には4年の有効期限があり、期限を過ぎると炎が小さくなり被視認性が落ちることがあります。車検時に交換義務があるわけではありませんが、万が一のときに確実に機能するよう、定期的に確認して期限内のものに交換しておくことが重要です。最近ではLED非常信号灯も販売されており、こちらは電池式で長期間使用できます。
まとめ
高速道路での車の故障は誰にでも起こりうることであり、適切な対処法を知っているかどうかが命を守る鍵となります。故障の約40%がタイヤトラブルであり、事前の空気圧チェックで多くのトラブルは防げます。しかし、万が一故障した場合は、ハザードランプの点灯から始まる7つのステップを冷静に実行し、何よりも自身と同乗者の安全確保を最優先してください。
停止表示器材の設置は法的義務であり、違反すると罰則があることを忘れてはいけません。また、車内に留まることは安全ではなく、必ずガードレールの外側に避難することが重要です。非常電話や道路緊急ダイヤル(#9910)の使い方も事前に確認しておき、いざというときに慌てず対応できるよう準備しておきましょう。
定期的な車両点検、特にタイヤの空気圧チェックと燃料の確認を習慣化することで、高速道路での故障リスクを大幅に減らすことができます。安全運転を心がけ、万が一のときに備えて停止表示器材を車に常備し、この記事で紹介した対処法を頭に入れておいてください。あなたと大切な人の命を守るために、今日から実践できることから始めましょう。


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